去年の今頃、獣医学科の受験は全落ち状態だった。
前期は全滅で、後期の試験前で、とにかく1日中、家の中はピリピリしていた。
今の時期、獣医学科を目指している受験生、残すところ後期しかないが、倍率を見て絶望しているのではと思う。
しかし、後期日程は国公立の前期日程の合格発表前に後期日程があり、繰上りが多いので、チャンスは十分にあるのである。
構図としては、例年、国公立の合格発表が3月6日頃から始まる。
すなわち、後期の出願後にしか国公立の辞退が起きない。
結局、国公立受験組で、私立前期日程で滑り止め校の合格をもらい、入学金を払い、枠を確保している受験生は、3月15日ごろ、一旦、合格発表が落ち着き、合格証書が手元に来て、しばらくして私立の辞退の連絡を入れる。
お金を払っているので、急いで辞退はせず、国公立の手続きが終わって初めて辞退の連絡をする。
ところがである。私立後期の合格発表は、3月15日前後、前期で国公立に合格した組から辞退の連絡を受けている中、後期の合格発表を行う。
すなわち、私立大学は、後期の合格発表時点では、全ての国立合格に伴う辞退者を織り込んで合格発表者を出せない。
多めに合格者を出して、定員超過、文科省からのペナルティーも困るので、結局は、繰り上げや補欠で対応せざるを得なくなる。
こんな構図なので、前期日程の繰り上げの連絡が来ないのは、国公立の辞退が全て固まっていないので、繰り上げの連絡ができない事情がある。こんなところだろう。
逆を言えば、私立後期は、前期が5%ほどしか欠席しないのに対し、後期は15%ぐらいは欠席する。
また、繰り上げは後期の受験生から連絡がくることが多い感じなので、後期は募集人数に対し合格者数が表面上は少ないが、ここで辞退者の埋め合わせの全ての帳尻を合わせるので、一部の私立は、実際、前期と同じぐらいの募集人数に対する人数割合で合格を手にできているのではと思う。
後期も10人の募集なら、正規合格が15人、繰り上げ20人こんな感じではと思う。
前期で補欠をもらっていれば、今一度、しっかりと後期は対策を立て、受験すれば後期で繰り上げまで含めて入られる可能性はある。
前期全落ちでも、まだまだ、悲観はしてはいけない。
ただ、繰り上げ人数は公開されている大学がほとんどないし、他の受験生しだいなので、運も必要かもしれない。
去年、この時期、全落ち中の経験から、勝負はこれからである。
1つだけアドバイスをするばら、前期で酪農、北里、岡理に落ちた受験生は、無理に後期で日大や日本獣医などを受けず、校数を絞って受け、体力と気力が十分な状態で試験に臨んだ方が良い。
結局は1、2問の差で合格証書を手にできるかが分かれるので、できるだけベストな状態で試験に臨むのが良い。
とにもかくにも、受験はあと1週間である。
