はちんこ&野菜シリーズまとめ⑤
豆男が執拗になでていたナスは
その後ヌカ床に入れられてしまった。
しつこい豆男。
ぬか床まで、ナスをストーキング。
いったい何をするのか。

漬かる気だ。
マメ自ら漬かる気だ。
添い寝だ。
寄り添って漬かる気だ。
こっそり様子を伺っていた、はちんこは
思わず声をかけた。

まだ、ありがとうと言っていない。
このまま漬物になってしまったら、誰かに食べられてしまうかもしれない。
非常に不機嫌そうな、紫色の人が来た。
おまめさんのおともだちかもしれない。
助けに来てくれたんだ!
はちんこは少しほっとした。
しかし紫の人は、とてもとても怒っている。
なすのつかり?
紫の人は、豆男ではなく、ナスの心配をしていたらしい。
野菜同士がくっつくと、おいしいヌカ漬けにならないそうだ。
紫の人は、味にこだわるナスの守り神だった。
さすが守り神。
ナスの人は、豆男に説教をした。
あなたも野菜なら美味しさにこだわりなさい。
はちんこはその様子を、心配げに見ていた。
しかし
豆男はちょっと嬉しそうだ。
豆男は、ナスの人に恋をしていた。
でも片思いのようだった。
そしておナスは、ナスの守り神として頑張った。
ナスが美味しく漬かるように
豆は遠くに漬けた。
それを見ていたはちんこは慌てて駆け寄る。
全力で引っ張り出す。
はちんこは豆男に言った。
ようやっとお礼が言えて、はちんこは嬉しかった。
そして豆男も
小さな友達に癒されたのだった。
終わり。