Chat GTP等が出てきたことによって、「いずれ自分の仕事もなくなるのでは」と、不安を抱いている人も多いでしょう。
「自分だけにしかないクリエイティビティがあれば」というのは、誰しも思うところですが、一体、どうしたらそれが身につくのでしょうか。
私の知り合いの中に、厳しいと言われるアパレル業界で、大いに稼いでいる人がいます。
以前、その知り合いから「年に一回引っ越しをしている」という、非常に興味深い話を聞きました。
ご本人は「年に一回引っ越しをするのは、すごくバカげたことだと思います。敷金、礼金ももったいないし」と話していたものの、それ以上の見返りがあるからこそ、引っ越しをルール化しているのは間違いありません。
これまでにないアイデアを生み出すには、発想の転換が不可欠ですが、実は、環境を変えるというのは、視点を変えるもっとも手っ取り早い方法の一つです。
この話のポイントは、引っ越しを年一回の行事にしているという点です。引っ越しに合わせて生活スタイルを変えたり、場所を選んだり、という今までとは違った環境に身を置くことに意味があるのです。
引っ越しをすることによって、身辺の整理整頓が強制的にできるのはもちろん、新しい街に住むために、あちこち行けば、その都度、新しい情報をキャッチすることができます。
私も、数年に一度は引っ越しをしています。
私の場合は、回数にルールはありませんが、海外にも結構行きます。海外は、投資先の視察やアテンドなどがメインです。
投資は特に一次情報が重要ですから、可能な限り自分で行き、現場を体感するようにしています。
日々のルーティンワークは、確かに欠かせないものではありますが、そこから新しいものが生まれることはあまりないでしょう。
しかし、見知らぬ土地に行くことで、普段、使っていない脳の機能が活性化します。
体が、不慣れな環境に適応しようと神経を研ぎ澄ませることによって、脳が覚醒し、そこからインスピレーションが生まれやすくなる、というわけです。
一方、世間ではクリエイティビティがもてはやされているきらいもあり、そればかりを追求し過ぎると、日々のルーティンワークが疎かになりがちです。
逆に、ルーティンばかりしていても、創造性がなくなって、新しいことに消極的になります。
大事なのは、やるべきことをきちんと続けながら、状況に応じて新しいものを取り入れていく姿勢ではないでしょうか。
たとえ引っ越しは無理でも、たとえば海外に行って、見知らぬ土地で新しい価値観に触れるというのも、脳の活性化に有効だと思います。
外務省によると、2024年末時点の日本人の有効パスポートの累計は2164万冊で、保有率は17.5%だったということです。
つまり、パスポートを取るだけでも、海外に意欲的な2割の中に入れるというわけです。
今、この文章をお読みの方の中で、クリエイティビティを鍛えたいという人がいらっしゃいましたら、まずは手始めにパスポートを取得することから始めてみてはいかがでしょうか。
俣野成敏
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《参考文献》
日経新聞Web阪:2025年2月20日、他