投資のプロといえども人間です。予測が外れることは当然あるし、時には見立て違いに終わることもあるでしょう。
だとしたら、投資を専業にしていない私たちは、どうやって案件の真偽を見極めればいいのでしょうか。
世界3大投資家と呼ばれるジム・ロジャーズ氏は、かつてこのように述べています。
「可能な限りの資料を取り寄せ、メディアの報道に疑問があれば、それを調べるために世界中のどこへでも出かけていきます。同じ話についても、複数の異なる見解を知ることで、本当の姿が見えてくることがあります」(『世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60』ジム・ロジャーズ著、2015年、プレジデント社)
要は、「可能な限り何度も調べる」「他者に意見を求める」「自ら出かけて一次情報を取る」と言っているわけです。
私も、投資家として本格的に活動を始めて15年以上が経ちますが、いまだにセカンドオピニオンを求めます。人間ですから、見方が偏っていたり、思い込んでいたり、というのはよくあることだからです。
では、もし、信頼できるセカンドオピニオンがいなかった場合は、どうすればいいのでしょうか。
方法の一つに、「反対意見をチェックする」ことが挙げられます。自分とは反対の意見を探し、そこに自分の仮説をぶつけてみることによって、自分の仮説が正しいのかどうかを検証してみるのです。
《情報を精査する手順》
1、あることに対して、自分の中に仮説を立てる
(例:このサービスは良さそうだな)
2、自分の仮説に対して「賛成」「反対」の両方の意見を探す
3、意見が食い違っているところを中心に比較する
4、両方の意見を見比べながら、「自己に取り入れられる点はないか?」「問題を解決できる方法はないか?」等を考える
5、信用できる人の意見も聞いてみる
注目すべきなのは、むしろ自分とは正反対の意見やノウハウなどです。比較・検証することによって、新しい視点が生まれます。
大事なのは、「どうしてこの差が生まれたのか?」と疑問を持つことです。
ロジャーズ氏は、自ら一次情報を取りに行きますが、兼業投資家である私たちが、氏と同じ行動を採ることはできません。
そのような時には、ロジャーズ氏の次の言葉が参考になるでしょう。
「私の言うことなんか聞くな。誰の言うことも信じてはいけない。あなた自身がよく知っているものだけに投資するのが成功への近道だ」と。
つまり、自分の得意分野を持つことです。
たとえば、あなたの趣味が車なのであれば、車種ごとの違いや、どのメーカーが何にこだわって製造しているのか?いつ新商品を発表するのか?どんな技術を開発中なのか?その将来性は?等々、車に関することなら詳しいはずです。
自分の知識を狭く深く限定すれば、専門家にも匹敵する分野を持つことができます。
漠然と「今、何に投資すべきなのか?」と考えるのではなく、「あなたにも勝てる分野がある。それを投資に活かすことだ」と氏は言っているのです。
俣野成敏
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