投資と聞くと、「とりあえず、手元のお金を株やFXに突っ込む」というイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ただ単に、小銭を稼ぎたいだけであれば、それでも良いかもしれませんが、資産を築きたいとなれば、話は別です。

 そもそも投資を始める真の目的とは、資産を築くことにあります。

 

 資産を築いていくことを、資産形成と言います。

 投資を始める前に、必要なのがプランニングです。プランニングとは、現状と理想のギャップを埋めるための計画を立てることです。

 資産形成を始める際の流れをざっと説明しておきましょう。

 

《資産形成を始める際の3つのポイント》

 

1、理想のゴールを設定する

 

 ゴールとは、具体的には「何歳までにいくらの資産を築きたいか?」を決めることを言います。

 ポイントは、自分の理想とするゴールを素直に掲げること。他人の目を気にして、「この目標はちょっと無理そうだな」などと考える必要はありません。

 

2、現在、予想される資産総額を算出する

 

 次に、家計管理によって生み出される余剰金(年額)を、希望リタイア年数で掛けて、想定される老後資金を計算します。

 たとえば現在30歳で、希望リタイア65歳のAさんが、現在、月々5万円の余剰金が手元に残っている場合は、以下のようになります。

 

年60万円+ボーナス60万円×35年=予想される老後資産4200万円

 

 もし、Aさんの希望資産が1億円だった場合は、差し引き5800万円の不足となります。このギャップを埋めるための1つの選択肢が、資産運用という手段なわけです。

 

3、想定されるリスク要因を考慮し、手元に残す金額を確保する

 

 資産運用をする際は、万一の際のことも考えておかなくてはなりません。

 万一の際の資金として、サラリーマンの方であれば月収の3ヶ月分、個人事業主の方であれば6ヶ月分を目安に、手元に置いておくようにしましょう。

 

 理想と現実のギャップを埋めるには、支出の削減だけでは限界があります。投資とは、自分の代わりに働いてくれる働き手を増やす行為なのです。

 

 お金持ちになりたい人は、以下の方程式を、ぜひ頭の中に叩き込んで、いつでも思い浮かべられるようにしておいてください。

 

【資産形成=(収入-支出)+(資産×利回り)】

 

 この式は、『お金持ちになれる黄金の羽の広い方 知的人生設計のすすめ』(橘玲著、2014年、幻冬舎)の中で提唱された、お金持ちになるための方程式です。式の中の(収入-支出)が家計管理に相当し、(資産×利回り)が投資に相当します。

 この2つの式によって生み出される集合体が、あなたの資産になるのです。

 

 実際に、投資を始める際には、予めどれくらいのリスクを取る必要があるのかを知っておく必要があります。ネット上には複利計算ができる無料のシミュレーションサイトがたくさんありますので、それらで確認し、リスクに見合った出資先を選ぶようにしてください。

 

 なお、家計管理については、今回は誌面の都合上、触れません。詳しく知りたい人は、以下の書籍をお読みいただければと思います。

 

俣野成敏


 

『トップ1%の人だけが知っている「最高のマネープラン」』

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