世の中には、努力が実を結んで、本番で本領を発揮できる人がいる一方、努力したにも関わらず、本番では不本意な結果に終わってしまう人もいます。
本番で力を発揮できるかどうかが、結果に大きな差をもたらすものの一つに、スポーツ競技が挙げられます。
同じ一流と呼ばれるアスリートの中にも、実際は、さらに一流と超一流に分けられます。たとえば元プロ野球選手のイチローさんや、大谷翔平選手のような人が超一流であることを否定する人はいないでしょう。
私の知り合いの中に、アスリートのトレーニングやメンタルに関する指導を行っている人がいます。その知人によると、超一流と呼ばれる人にはスランプがないそうです。
もちろん、超一流の人とて人間ですから、調子が良い時や悪い時はあります。しかしそうした好不調とは関係なく、彼らは常に自分のやるべきことがわかっていて、かつそれをやろうと努力している。だからスランプであっても、そのようには見えないわけです。
一方、一流止まりの人にはスランプがあります。つまり不調になると、どう行動すればいいのかがわからなくなって、立ち止まってしまいます。
そうこうしている間も、ライバルはどんどん力をつけてくるし、若い選手も参入してきます。
一流の人は、好不調の波が大きいのに対して、知人は「超一流の人は、そもそも成功しようとはしていない」と言います。
知人曰く、これは脳の機能的にも、非常に理にかなっているのだそうです。なぜなら本来、「脳にとっての成功とは、失敗しないことだから」というのです。
もちろんプロである以上、アスリートが勝ちにこだわるのは当然のことです。それは夢や目標ではなくて、彼らのノルマなのですから。
結局のところ、成功か、失敗かは、その人の受け取り方によっても変わります。超一流の人にとって、1つ1つの行動は、単なる一事象に過ぎません。言ってしまえば、成功も失敗もないわけです。
超一流が大事にしているのは、目先の成功か失敗かに囚われることではなく、着実に自分の目標に近づいていくことです。
私たち一般人からすると、超一流とは、常人には想像もつかないようなすごいスキルや能力を持っている人のことだと思いがちです。しかし実際に大事なのは、小さなことを日々、繰り返す力です。
超一流の人は、まるで私たちが一日3食ご飯を食べたり、毎食後に歯を磨いたりするのと同じように、日々のノルマを達成することが生活の一部になっているのです。
ノルマをこなしつつ、自分自身の目標に近づいていくという行動スタイルは、誰もが身につけるべき必須のスキルです。
もし、ビジネスパーソンの方も、「成功とは失敗しないことだ」という考え方を取り入れていただけたなら、目標達成までの道のりが、もっと身近に感じられるようになるに違いありません。
俣野成敏
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