FIRE(早期リタイア)実現の第一歩として、最近、よく聞くのが新NISAなどで投資を始めることです。
確かに、国がある程度内容を取捨選択してくれているNISAであれば、投資初心者が取り組みやすいのも事実でしょう。しかし定年間近になって、持ち時間の少ない人がNISAを始めることは、チャンスロス以外の何ものでもありません。
だったら、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などのプロに運用を委託すれば、良い結果を出せるのかというと、そうとも限りません。
先日、私のところに「外貨建てアクティブファンドを解約したい」という問い合わせが入りました。質問者は、知り合から紹介されてファンドを購入し、以来、15年続けてきたものの、子供が大学受験でお金がかかるので、そろそろ解約したいとのことでした。
外貨建てアクティブファンドとは、ファンドマネジャーに運用を委託して利回りを上げることを目指した投資信託の一種です。
◎外貨建てアクティブファンドの詳細
・英国王室属領のマン島に本拠を置く保険会社の金融商品
・条件の異なる3つのプランがあり、投資期間は5年から25年の選択制
・年平均3%から4%の手数料がかかる(プランや運用期間による)
・初期口座(最初の2年間)の手数料は7%超
この商品の場合、海外のIFAが販売員を送り込んでいたようです。聞いた話では、「FP(ファイナンシャルプランナー)から購入した」という例が多いようです。
IFAは、単なる仲介だけではなく、運用商品の選択も行なっています。つまり実際は、IFAによって運用商品が異なるため、クライアントにとっては、どのIFAと契約するかが、非常に重要な選択になります。
結論から述べると、質問者が契約している商品は、手数料が高過ぎました。
特に初期口座の手数料が高く、3年目から通常口座への積立が始まりますが、10年以上積み立てても、途中解約した場合、初期口座に積み立てられた資金の半分以上が解約手数料として取られるという、かなり利益を出しづらい設計になっていました。
確かに、IFAの中には、非常に良いパフォーマンスを出しているところもあります。しかし、投資とは長期運用が基本である上に、外貨建て商品には為替変動もありますから、もし、資金の余裕があまりなく、将来的に解約する可能性がある人が、アクティブファンドに手を出すのはリスクが高いと考えるべきでしょう。
投資の中でも、他人に運用を任せる方法で資産を増やそうとする場合、カギとなるのは「任せる相手の能力を見極めるリテラシー」です。
つまり、やるべきなのは、ぶっつけ本番で目の前に表れた金融商品にお金を投じることではなく、まずはFIREを実現するための能力を身につけることから始めるべきなのです。
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俣野成敏
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