こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。
最近、個人的に気になったのがこの記事です。
起業失敗でも失業手当 受給権利、3年間保留可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA235DA0T21C21A2000000/
起業するということは、被雇用者ではなく経営者になるということですから、雇用保険がなくなります。
これまでは起業する場合でも、通常のサラリーマンと同様に1年間しか失業保険を受ける権利がありませんでした。それを今後は3年間に延長する、というのが新制度の趣旨になります。
国にとって、起業家を増やすことは、喫緊の課題となっています。今回の改正によって、少しでも起業のハードルを低くしよう、ということなのでしょう。
現在、「副業をしたい」と考えている人は多いと思いますが、その理由は「給料が上がらない」「このままだと生活できなくなる」という切実な問題があるためです。つまり「やりたくないけれど、やらざるを得ない」から、みんな必死になっている。
そういうサラリーマンを前にして、「雇用保険を3年延長するから、安心して起業してください」と言ったところで、果たしてどれだけ効果があるのか疑問です。
そもそも、人が起業をする理由は、大きく3つあると思います。それは、
1、やりたいことがあるから起業する
2、止むに止まれず起業する
3、できそうだから起業する
の3つです。
もちろん1が理由で起業するのがもっとも望ましいでしょうが、実際は、あまり多くはないと思われます。行動する際、熱意以上にモチベーションを高めるものはないとはいえ、その状態を維持するのは難しいからです。
2の成功確率も、それほど高くはないでしょう。特に、「他に仕事がないから起業する」等が理由なのであれば、やめたほうが無難です。
成功確率がもっとも高いのは、3です。私も3で起業しましたが、要は、自分が今、持っているスキルを組み合わせることで「いける」と確信できるのであれば、それがもっとも現実的だということです。
起業は、一か八かに賭ける行為ではありませんから、個人的には「副業→起業」というコースをたどることをお勧めする考えに変わりはありません。
副業とは、いわば“実験”の場ですから、そこで得たスキルと本業のスキルを組み合わせれば、成功確率もそれだけ高まるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
ちなみに、この制度の裏の目的として、お役所が「雇用保険の意義をアピールする」という意図が隠れている気がしてなりません。
失業手当をもらう人が増加し続ける中で、先日、保険料率の引き上げが決定しています。これまでは賃金の0.9%を労使で負担していましたが、2022年には0.95%、2023年には1.35%へと段階的に引き上げられます。
終身雇用が崩れていく中で、制度を維持すること自体が難しくなってきているのかな、と改めて感じた次第です。
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ありがとうございました。