こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 現在、少子高齢化によって、若年人口が減り続けていることを知らない人はいないでしょう。それなのに、「大学が増え続けている」という事実を、ご存じでしょうか。

 

「大学はこんなに必要か?」

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/20237

 

 これを、ビジネス的観点から述べると、「顧客(学生)が減り続けているのに、参入者(大学)が増えている状態」です。

 つまり、売り上げが増える見込みが立ちませんから、通常であれば「そういう市場には最初から参入しない」というのが正しい選択です。

 

 大学生が減ることは、最初からわかっていたので、他に何か理由がない限り、大学をつくり続けるはずがありません。その理由の1つが、助成金です。

 

 日本私立学校振興・共済事業団の資料によると、2020年に、私立大学609校(4年制)に対して交付された私立大学等経常費補助金は2913億3074万円。1校当たりに直すと、3億5829万円でした。

 私立大学の主な収入源は学生からの学費ですが、文部科学省作成の「私立大学の経営状況について(2020)」によれば、私立大学の31%がすでに定員割れを起こしており、地方中小私立大学の約4割が赤字傾向にある、といいます。

 

 このコロナ禍において、国民の生活は苦しくなってきており、今後、大学進学率も下がることが予想されます。つまり、以後は大学の多くが潰れるか、ジリ貧状態になることが容易に想像できます。

 

 実は、これまで大学が増えてきた理由として、「地方を中心に、若者の流出を抑えるための切り札として、大学を増設してきた」経緯があります。

 

 昨今、大学の経営難を背景に、増加しているのが私立大学の“公立化”です。定員割れに苦しむ私立大学と、若者を引き止めたい地方自治体との思惑が一致し、編み出された手法でした。

 地方では、国公立ブランドが依然強く、公立化することで志願倍率が上がる傾向にあることが、数値でも証明されています。学生にとっては、公立化で授業料が下がることも、魅力の1つになるでしょう。

 

 しかし直近の例では、2023年度に公立化する予定で進んでいた北海道の旭川大学が、「学生充足率100%でも、市立化30年後も赤字が予想される」として、公立化の時期を1年遅らせています。

 また山口県の徳山大学でも、公立化に向けた議論が進んでいるものの、最近になって慎重論も出始めている、といいます。

 

 これから始まる「大学の大淘汰時代」を前にして、大学側が見せた最後の抵抗が、私立大学の公立化だったのではないでしょうか。

 

 今後、大学同士で少ない学生を奪い合う事態に拍車がかかれば、「入学希望者は、全員大学に入れる」時代がくることも、十分考えられます。

 そうなれば、一部の有名校を除いて、大学卒業に対するプレミア感も薄れていくでしょう。このままでは大学が不良債権化し、大きな社会問題になる可能性もあります。

 

 このニュースが伝えているのは、「大学という“免状”が効力を発揮する時代は終わった」ということです。大学が重要な機関であることは、今後も変わらないとはいえ、卒業証書だけでは、他人との差別化にはなりません。

 

 もし、あなたに子供がいるようであれば、今後、「子供を大学に進学させるのが正しい選択なのか?」「高い学費を払ってでも行かせるのであれば、大学で何を学ぶのか?」といったことを、子供とよく話し合うべきでしょう。

 いずれにせよ、これからは私たち自身も含めて「自分の時間を何に費やしていくのか?」という問いに、どう答えを出すのかが、非常に重要になってくるのは間違いありません。


 

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