将来を有望視されていたベンチャーが破綻したわけとは? | 俣野成敏オフィシャルブログ「脱 サラリーマン思考」Powered by Ameba

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 こんにちは。俣野成敏(またのなるとし)です。

 

 ビジネスの成功に、時の運が関係しているのは事実です。とはいえ、それも一時的なことであり、長い目で見れば「結局、結果は同じ」という場合がほとんどです。

 2019年4月、将来を有望視されていたベンチャー企業のセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが経営破綻しました。同社は「世の中にないモノを創り出す技術集団」というキャッチフレーズのもとで、3年余りの間に100億円超もの資金を集めた有名ベンチャーでした。

 

 セブン・ドリーマーズの出資者には、一流企業や金融機関の名前がズラリと並び、経営陣にも大手企業出身者が名を連ねていました。

 同社はテレビなどにも取り上げられ、経済産業省もJスタートアップ企業と認定し、後押ししていました。

 お金があって、知名度も抜群、官民双方から強力なバックアップを得ていた企業が潰れてしまったのは、どういうわけでしょうか。

 

 セブン・ドリーマーズの創業者にして社長だった阪根信一氏は、アメリカのデラウェア大学の大学院で化学を専攻し、博士号を取得しました。

 阪根氏は帰国後、父親の経営する会社に就職。取締役を務めた後に、独立してセブン・ドリーマーズを起業しました。

 同社は、カーボンゴルフシャフト、いびきや無呼吸症候群を防ぐ鼻腔チューブ、自動衣類折りたたみ機・ランドロイドの開発という、3つの商品を事業の柱に据えます。

 中でも、阪根氏の妻が言った「洗濯物自動折りたたみ機が欲しい」の一言から開発が始まったとされるランドロイドは注目を集め、2016年にパナソニック、大和ハウス工業との合弁企業も設立し、2017年から販売を始める予定でした。

 

 阪根氏は、かつて受けたインタビューの中で、「私が製品を開発する際の基準とは、『世の中にないモノであること』『人々の生活を豊かにすること』『技術的なハードルが極めて高いこと』の3つだ」と話していました。

 しかし残念ながら、その熱意は間違った方向へと進んでしまったようです。

 

 結局、期待された自動衣類折りたたみ機は実用化のメドが立たず、資本を食いつぶす結果となりました。

 実のところ、アパレルの専門家に言わせると、「質感も扱い方も違う衣類を、同じ機械でたたむという発想には、もともとムリがあった」と言います。

 また、鼻腔チューブでは誤飲事故が発生。この商品も、阪根氏自身が無呼吸症候群だったことが開発のキッカケだったそうで、閃きを重視するあまりに、現実的に事業として成り立つのかどうかを、どこまで精査したのか疑問が残ります。

 

 さらに問題を大きくしたのは、集まったお金の使い方でした。

 同社は、2018年3月期には、研究開発費に約4億円かけていたのに対して、広告宣伝・販促費には約5億円をかけていました。驚くのは、高額な地代家賃で、1ヶ月に家賃だけで800万円以上を使っていた計算になります。

 赤字にも関わらず、阪根氏自身は6600万円の報酬を取り、大手企業出身の役員には2730万円、賞与に100万円以上を払っている社員も複数いた、と言います(ビジネスジャーナル、2019年5月26日)。

 

 開発にメドが立っていないにも関わらず、研究費よりも宣伝費のほうに多くのお金を費やしていたのは、周囲から過剰な期待を受ける中で、少しでも売上を伸ばして、何とか事業を維持しようとしていたからなのでしょう。

 大きなことをしようとすると、つい足元の小さなことを疎かにしがちです。

 しかし結局のところ、小さな信頼を積み重ねた先にこそ、大きな成功があるような気がします。

 

 あなたはいかがですか?足元を踏み固めずに、慌てて何かをやろうとはしていませんか?よかったら、これを機に確認してみることをオススメします。


 

ありがとうございました。


 

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