一瞬の躊躇、あわや大惨事! | おバカな2人の二人三脚

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トイレ詰まる

今日は多少不快な表現があるかもしれません。 いないとは思いますが、食事中の方、ごめんなさいね。

   *   *   *

あぁ、人間とはなんと自分勝手で愚かな生き物なのでしょう。
私は己の過ちを告白し、ここに懺悔いたします。

その日、私はパソコンに向かってネットを楽しんでおりました。
3杯目のコーヒーを飲んだ頃でしょうか、尿意を覚え、トイレに立ちました。 最近、トイレの間隔が短くなったと自覚しておりますが、気温のせいでしょうか、それとも歳のせいでありましょか。 おっと、すみません。 余分な話です。

出すものを出し、すっきりしたところで、水流しのレバーに手をかけたときです。 カラになったトイレットペーパーのホルダーが私の目に入りました。
いつもなら、妻である、なるがカラになる前に補填してくれるのですが、きっと忘れてしまったのでしょう。 ならばこの私が。 予備のトイレットペーパーが備え付けの棚にあることぐらい、知っていますから。

棚を開け、ひとつのロールを取り出そうとしたのですが、うっかり手を滑らせて、転がり落ちてしまいました。 落ちて行く先には便器です。 こんなところに落ちては大変! 慌てて受け止めようとしましたが、無情にも私の手をかすめて便器に落ちて行きました。
ゴーーーーー。 ポチャン。
水流しの音と、そこに落ちるロールの音。 それは、なんとも物悲しい二重奏でした。

私の懺悔は、ここからです。
私は、落ちたロールをすぐに拾い上げるべきでした。
しかし、私のわずかなプライドが、便器に手を突っ込むという行為を躊躇させたのです。
すぐ拾っていれば大半は流れなくて済んだのに、見栄を張ったばっかりに、ロールは塊のまま排水口に吸い込まれていきました。

もし、このまま何事もなく流れてくれていれば、私はわざわざ懺悔などしなかったでしょう。
しかし、世の中というのは、皮肉に満ちあふれているのですね。
まるで私の心を嘲り笑うかのようでした。 水が流れて行かなくなったのです。
どこかで詰まったのでしょう。 水位がみるみる上がってきました。

やべー! あふれる!!
トイレの中で大声を出したものだから、なるが慌ててやって来ました。
そして、その光景を目の当たりにして、彼女も叫びました。
えー! ちょっと、どうしたのよーー!!
情けないことに、ふたりとも声を上げること以外、何もできませんでした。

幸か不幸か、あと数センチであふれる、というところで排水が止まりました。
とりあえず、崖っぷちで救われましたが、これからどうするか。
「トイレットペーパーは水に溶けるんだから、放っときゃそのうち流れるんじゃないの?」
つとめて呑気に構えてみたものの、30分たっても水位はわずかに下がっただけ。
なるの顔には明らかに不安な色が浮かんでいました。
もし、この状況でトイレをもよおしたら……即死です。
そうなる前に、なんとかしなければ。 私は、なるを従えて近くのスーパーに行きました。 あのスッポンを買うために。
店でお目当ての品を見つけたとき、私は心から安堵しました。 スーパーでスッポンだけを持ってレジに並ぶ夫婦に、いつもと変わらぬ笑顔で「いらっしゃいませ」と応対してくれた店員さんには、ただただ感謝です。
スッポンのおかげで、詰まり物は無事に取り除けました。

一瞬のためらいが このような大事に至ってしまったことに対し、私は深く反省する次第です。
どうかお赦しを。
スッポン

   *   *   *

いや~、マジで焦りました。
やっぱ、丸ごと1個のトイレットペーパーが流れちゃアウトだよね。

実際は、あふれちゃ大変だから洗面器や桶を用意して構えてたんだけど、使わずに済んだときには、ホッとしました。
小学校の頃、よくイタズラに使ったスッポンを今さら買う羽目になるとは思いもしませんでした。
1580円もしたのには驚いたけど、まぁ授業料ということで我慢です。