@nun









こんな風に迎える結末だったのだ

10年近く過ごしてきた

幾度となく揉めに揉めて

それでも終わらせなくて

わかりきっている事実も現実も

見ぬふりするように






思い入れは勿論沢山 あまりあるほどに

それでも変わらない本質が救いであり 

いちばんの厄介だった

終わりなどないとする決めつけで押さえ込んで

終わらせる方法はないと選ばずにいた

たったひとつの方法は






私が姿を消すこと








nariの前から 完全に居なくなること













私は 自分が大事

自分がどうなったっていい

なんて思えない

所詮そんな人間






離婚を経験した私は

全てぶっ壊して また更地に戻す労力を

厭わないほどに強くなった

いつまでも落ち着かない人生は私の業

それでも救われて恵まれていると

思えたりするほどに強かだ











nariは 哀しい人

そうとわかってて無慈悲に棄てる私は

もっと救いようない人間なのかもしれない




どうしてこうなってしまうまで

変われなかったんだろう

どうしてまた独りになってしまったんだろう

nariがそれを理解する日はくるのかな










なるべくいつも通りに過ごして

いつも通り出勤する姿を見送るよ

それが最後







この家は

nariの私物だけを残して

空っぽにする





半年間の夢だったと思う程に

何もかも消えた部屋に帰宅するnariを

想像したくない










それでも  

私は消えるよ










もう二度と  決して

後戻りしない道を行く











決行日は 9/30







秘密の恋路の果て

イバラ道に疲れ果てた哀しい結末