なんとも複雑な形の屋根です。
最初からこうだったのでしょうか。
それとも増築を重ねるうちにこうなってしまった
のでしょうか。
雨漏れを起こした時が大変そうです。
屋根はやっぱりシンプルな形がいいです。
屋根の形上、谷を造らざるを得ないことは多々あります。
その谷が雨漏れを一番最初に起こします。
谷に使う板金はあくまでも金属ですから、薄いものなの
で今ではステンレスがよく使われます。
次は壁際の水切りです。
板金が使われないで漆喰で止めてあることもあります。
土が雨を吸っている状態です。
今では屋根も壁も防水シート、透湿防水シートを使って
防水処理をしますが、土壁で家づくりをされていたころは
そんなものはありませんでした。
土壁の上に漆喰や板貼りがされてました。
屋根もトントンや杉皮が使われていればいいほうですが、
土だけで瓦が葺かれていることもありました。
かくいう私の実家がそうでした。
天井はなく屋根裏がそのままの部屋では所々、瓦の隙間
から明かりが見えてました。
それでも少々の雨では雨漏れはありませんでした。
屋根屋さんの腕がよかったのでしょうか。
古民家に伺って時折見かけるのが屋根の軒先同士の間に
写真のような箱樋や普通の樋を設けて雨が入らないよう
にしている空間です。
増築を繰り返すとこのような空間ができます。
そこが通り道になると雨が落ちてきては困るのでこのよ
うな処置をします。
単なる通り道で下が土間ならいいのですが、ここが部屋内
になっていることがあります。
定期的に樋をやり替えないと大変なことになります。