土壁の効用 | 奈良県古民家再生協会ブログ

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壁のプリント鋼鈑を剥がしたところです。

現代では透湿防水シートがあるはずですが昔はそんな材料は

使っていません。

プリント鋼鈑も防水の効果はありますがそれほど完全ではあ

りません。

少しくらいの雨水は侵入しますが土壁が吸ってしまい、その

うち乾燥するので室内まで入ることはありません。

現代の乾式工法だと、例えばグラスウールなんかでは簡単に

乾燥しないので室内に雨シミができるかもしれません。

古民家では母屋や桁、梁が壁面から出ている仕様の家が多い

ですがあれを現代の家に採用するとそこから雨水が侵入して

雨漏れを起こすことがあります。

土壁のような湿式工法だからできたのかもしれません。

壁、天井の木下地を施工しています。

大壁にしようとするとこのような作業が必要になりますが、

それがなければいたってシンプルな軸組の構造と土壁がある

だけです。