家を新築したり増改築したりするとき、施主さんからの
要望として時々出るのが「家相」「風水」です。
風水は約4000年前に中国で発祥した占いです。
家相は平安時代に中国から伝わったものですが中国の風水
を日本の風土に合わせて発展させたものだそうです。
そして「年回り」です。
建築に携わる限りはある程度は知っておかなければならない
ことです。
何気なくプランを作成したら鬼門の位置にトイレやキッチン
が配置されているといったこともあります。
もちろんまったく気にしない方もおられますが、これを気に
する方にとっては何よりも大事なことです。
神様には逆らえません。
年回りでいうとまず「厄年」は避けることになります。
そこへ六曜といって仏滅、先負、三隣亡といった日。
更に土用、天中殺、空亡まで。
家を触ってもいい日があるのかと思うくらいあります。
家をリフォームしようと思って調べてみたら再来年まで
良くないと言われたということもあります。
人の運気を左右することなので家を新築したり、増改築
したりするということはそれだけ負担になるということ
なのでしょうね。
ある地域で住宅のある調査をしてみるとほぼ同じ間取り
の家が数件あったそうです。
調査した人はこれはきっと同じ工務店が手掛けたものだ
と思っていたら工務店はそれぞれ別だったのですが、同
じところで診てもらっていたのが原因だったそうです。
家相でいうとこれはどう考えても不便だろうというプラン
になってしまうこともあります。
接道が北面なのに玄関は南へと言われたこともあります。
ある設計士さんがそれに反対したところすぐに話を打ち切
られたという話もあります。
信じる方はかなり減ってきていると思われますが、いまだに
根強く残っていると思います。
何か不幸ごとでもあれば「これを守らなかったからだ」とも
成りかねません。
方位や年回りを診てくれる方ももう少し融通を効かしてくれ
るといいのですがそう単純なものではないのでしょうね。
ある神社の方と話をしたことがあるのですが、この方も家相、
風水を見る方です。
その方が
「現代のトイレやお風呂、流しは排水管につながれて
いてそのまま外に排出されるものでしょう。
それが漏れたり溜まったりすることがありますか」
家相も現代の状況に合わせてもいいのではと思いました。