階段を造作する | 奈良県古民家再生協会ブログ

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階段を造作しています。

これは廻り階段の段板です。

無垢の木なのでそんなに幅の広い板はありませんから

板をつないでいます。

写真は雇い実という継ぎ方です。

双方の板に溝を掘ってそこの別の木を差し込んで2枚

の板をつなぎます。

昔からある板の継ぎ方です。

こちらは階段の側板です。

段板と蹴込板が入るように彫り込んでいます。

廻り階段を掛けたところです。

 

階段も構造材と同じでプレカットしているところ

が多いと思います。

現場で加工している工務店はごく少数かもしれません。

できる大工さんも少なくなっているかもしれません。

新築の家ならそれでいいと思いますが、リフォームの

ように現場に合わせて掛けるとなるとその場で加工

できた方がいいです。

 

大工さんもその機会がないと経験できません。

家づくりも組み立てるだけでいい時代が来ています。

効率よく造るにはそれが一番です。

大工さんの育成学校を卒業しても習ってきたことと

違うということも起きています。

ノミやカンナの練習をしてもほとんどの会社ではあまり

使わないのではないでしょうか。

 

寺社・仏閣や数寄屋造りを専門に施工している工務店

はこれからも伝統的な技術を継承していくと思いますが

一般住宅を施工する工務店では伝統的な技術は必要なく

なるかもしれません。

しかし新築は別としてもリフォームはまだこのような

技術は必要です。