構造の見学会 伝統工法 | 奈良県古民家再生協会ブログ
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奈良で古民家をお持ちの方、鑑定によるネットへの掲載や耐震・移築・解体に伴う古材の再利用をお考えの方はご相談ください。<奈良県古民家再生協会

伝統工法の家で構造見学会をさせてもらいました。

伝統工法の軸組は下から土台、根固め、差鴨居

2階の床梁、母屋と横方向の構造材が多く、そこに

また貫が使われています。

在来と違って筋違(斜めの材)がありません。

それでも、いかにの頑丈そうな感じを受けます。

「書籍などでいろんな写真を見ても今ひとつわかり

にくいが、実物を見るとはっきりわかる」

「木組みだけで地震が来ても倒壊しないだろうと思う」

という人もいました。

実際、建て方の時在来工法の家は仮筋違という仮の

筋違を取り付けて建物がぐらつかないようにしながら

棟上げをしますが、この家はその仮筋違がなくても

自立してくれます。

 

家の構造と言っても普通の消費者の人は何のことか

わかりません。

木造軸組みかツーバイフォーかプレハブかもわから

ない人がほとんどです。

その中で在来工法、伝統工法と言ってもさらにわかり

ません。

現代の家は大壁と言って構造材は見えない造りの家

がほとんどですから完成すればみんな同じです。

ところが家づくりをしている工務店はそれぞれこだわり

というか得て不得手があって構造についてはどれかの

1種類で家づくりをしています。

そして現代の木造軸組みの木造の家はほとんど、ほぼ

98%くらいが在来工法という工法で造られています。

建築基準法がそうなっているからです。

当社も在来の軸組で家づくりをしています。

 

今回はたまたま機会があって伝統工法での家づくりを

させてもらうことになりました。

「伝統工法」というとずいぶんたいそうに聞こえますが、

これは日本に昔からある家づくりです。

古民家と言われる家が伝統工法です。

寺社・仏閣もそうです。

壁ではなく木組みで構造を持たせる家づくりです。

現代の在来工法は伝統工法を簡略化して特別な技術

がなくても家づくりができるようにしたものです。

金物と筋違や合板を使って造る家です。

この家は基準法の規制で石場建てではなく、基礎があ

ります。

また金物も最小限のものは使います。

しかし、基本軸組みだけで自立できる造りです。

耐力壁と言われる部分が大きな地震で破損しても軸組み

で自立することができ、いきなり倒壊することがないよう

にしています。

 

業界の方も見学に来られました。

このような構造に興味のある人は「一度は建ててみたい家」

なのです。

しかし、需要がありません。

一部の消費者の人しか知らないからです。

そして、在来工法に比べて墨付け・手刻みに手間がかかり

ます。

またできる大工さんも限られます。

大工さんもできる人はしてみたい家づくりなのです。

多分に造る側の自己満足的なところがあります。

しかし、将来残していくべき伝統のある技術でもあります。

造らなければできる大工さんもいなくなります。

伊勢神宮ほどたいそうなものではないですが、昔は身近に

あったものです。

普通の人が住んでいた家で使われていた技術です。

高気密・高断熱といった性能重視の家づくりが主流の時代で

すが、伝統的な技術による家づくりにも興味を持ってもらえれ

ばありがたいです。