現代の家と昔の家 | 奈良県古民家再生協会ブログ

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先日上棟した新築の家です。

2階の床から1階の下屋の小屋組みを写しています。

こちらは1階の軸組です。

コンクリートの基礎の上に土台を伏せてその上に柱

を立て柱の頭を梁や桁でつないで2階の床組みを造

っています。

こちらは先日リフォームさせてもらった築80年くらいの

古民家です。

町家の古民家とは違って大きな構造材が使われています。

古民家特有の曲がった梁もあります。

現代の家と古民家の構造の違いです。

 

現代の家の構造材はほとんどが製材されています。

たまに小屋に丸太を使うこともありますが、数は少ない

ですし2階の床組みに使うことはめったにありません。

製材されていないと床組みを造るのが難しいからです。

古民家も小屋組みは現代の家と比べてそれほど大きな

構造材が使われていることはありませんが、それを受け

る梁が全体に大きいです。

ほぼ丸太のまま使われていることが多く、何よりも長い

材料がそのまま使われています。

構造材は継ぎ手と言って継げば長くなりますが、一本の木

を使うよりも継いだところは弱くなります。

6mや8mくらいの長さに木は普通に使われています。

しかし現代の家はまずほとんどが4mです。

たまに5m、6mといった木使わざるを得ないことがりますが、

ごく少ないです。

どうしてかというと、山から切り出すときにほとんどが運搬

のために玉切りと言って4mの定尺で切断されて切り出され

てくるため4mを超える木は高価になるからです。

単純に4mの木を5mの変えると単純計算すれば1.25倍です

が、実際はほぼ2倍の単価となります。

これはあくまでも天然の木の場合です。

集成材は使ったことがないのでわかりません。

大きな丸太の木を使ったとしても4mでは古民家のようなダイ

ナミックさは表現できません。

 

このように製材されていない長尺で断面の大きな木が使われて

いると同じ継手や仕口をしても接地面が大きいので揺れにも強

くなります。

細い木では組み立てただけではぐらつくことはあっても太い木を

使ってくみ上げれば頑丈になります。

また、継手や仕口も現代のように金物を使うことを前提にした組

み方と古民家に採用されている継手や仕口は違います。

筋違や合板は使われていませんが、水平部材(貫など)がたくさん

入っているので少々の地震が来ても揺れはするが倒壊までには

いたらないということが起きます。

そしてなぜ長持ちしている家が多いかというと、材料が大きいとい

うのも理由ですが、見てわかるように構造材がほとんど見えています。

壁に包まれていません。

いつも動く空気にさらされているので木にとっての環境がいいからです。

また、お風呂やトイレといった水を扱うところは別棟であったり、台所は

床が土間であったりといい環境にあるから長持ちしています。

 

現代の建築技術をもってすれば構造材を古民家のようないい環境に

置きながらも快適な住環境が造れそうに思うのですが、どうも流れは

構造材を含めて家全体を断熱材でくるんでしまう流れになっています。