古民家の漆喰 | 奈良県古民家再生協会ブログ

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古民家と言えば外壁は漆喰または板貼りがほとんどです。

漆喰は雨がかりさえなければ確かに長持ちします。

そして防火の機能もあわせ持っています。

しかし、それだけにやり替えるとなると施工費のかかる仕上

です。

写真のように虫籠窓があればなおさらです。

こちらの家ではモルタルで下地をして塗装で対処しています。

下屋の軒裏の杉板は使えると思っていましたが、瓦を葺き替

えると思った以上に傷んでいたようで杉板を貼り替えています。

室内では左官屋さんが漆喰の下地の準備をしています。

室内はやっぱり漆喰ですね。

 

先日、社内で「調湿建材」の話が出ました。

お客さんから指摘されたそうです。

読んで字の通り室内の湿度を調整してくれる建材のことですが、

JIS規格に明確な規定がありその基準をクリアする素材のみ

調湿建材と言われます。

そして漆喰は調湿建材ではありません。

昔の漆喰は厚さが10㎝ほどある土壁の上に塗られていてその

土壁と漆喰がセットになって調湿性能を発揮していました。

この家のように土壁の上に施工する漆喰は調湿性能はありま

すが、現代の新築の家のように石膏ボードの上に厚さ1ミリから

2mm程度の漆喰ではたいした性能は発揮しません。

石膏ボードには調湿性能はないと書かれている記事があります

が、私は多少の調湿性があると思います。

 

一般的な漆喰の調湿性能は40g程度と言われます。

調湿建材の性能はJIS規格では70g以上とされています。

1㎡に塗り広げられた試験体が24時間で何gの水分を吸収したか

で評価されることになっています。

しかし、要は何度も繰り返し吸湿と放湿を繰り返してくれて初めて

調湿建材だと思います。

そして40gならば調湿してくれていると判断して良いと私は思います。

意地悪な見方をすれば新しい建材は今まである建材では達成でき

ない基準を設けなければ普及しません。

より良い性能の建材が開発されるのは喜ばしいことですが、既存の

良い建材を排除するようなことにならないようにと願います。