点検しにくい家の床下 | 奈良県古民家再生協会ブログ

奈良県古民家再生協会ブログ

奈良で古民家をお持ちの方、鑑定によるネットへの掲載や耐震・移築・解体に伴う古材の再利用をお考えの方はご相談ください。<奈良県古民家再生協会

床下診断士という資格があります。

ここ数年の間に建てられた家は、基礎も高く床下

の防湿処理などもされていて床下が異常に湿気

るといったことはあまりありません。


しかし、古民家と言われる昔の建物、または築30年

くらいの建物では基礎も低く床下に通風が取れてい

ない家があります。

そのような家では、床下にシロアリや腐朽菌、カビな

どといった土台を傷めてしまう原因になるものが発生

しやすい状態にあります。


まず最初にシロアリ。

普通に生活していて発見することは難しいですが、

見つかった時にはかなりの被害が出てしまってい

ます。

発見できるチャンスとしては羽アリの発生の時です。

ヤマトシロアリは4月中旬から5月中旬の蒸し暑い日

特に雨が降った翌日の午前中。

イエシロアリは6月から7月にかけての夕方に発生し

ます。

アメリカカンザイシロアリは乾材 乾いた木材にも付

きます。

湿気がなくても活動できるので駆除が非常に困難です。

侵入経路や被害箇所が特定しにくいです。

ほとんどの場合、発見はフンがきっかけとなります。

フンはベージュがかった茶色。顆粒状の中華調味料に

似ています。


次に腐朽菌

木材から栄養を取りながら成長し、これによって木材が

強度を失うことを腐朽するといいます。

家屋の木材にキノコが生えていたら末期症状です。

有名なものにナミダタケというキノコがあります。

北海道で断熱材が使われ始めたころ結露対策ができて

いなかったので大量発生しました。

カビと腐朽は同じように思われがちですが、カビは木材

の成分を奪い取ることはしません。

極端に言えば、カビだらけの壁を何年放っておいても耐

久性に問題はありません。

ただ、カビが生えるということは湿気が多いということです

から、腐りやすい環境であることに違いはありません。

カビは腐朽のバロメーターです。




先日の古民家再生協会の全国大会でお披露目されていた

機械(ロボット)です。

人の代わりに床下を点検してくれます。

ある大手ハウスメーカーが開発したものですが、

テレビカメラを備えていてパソコンで床下の画像を確認でき

ます。

床下 誰もが簡単に入って行けるものではありません。

また、人が侵入できないようなところもありますが、この機械

が代わりに点検してくれます。

また、知らない人に床下に入ってもらうのを不安に感じる人でも

これなら安心して調べてもらうことができます。

そのうちあちこちで活躍することになるかもしれません。