ピアノレッスン324-327 平均律1巻2番 | 初老精神科医なおざう

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教員をやめ、中年で再受験して、今や初老精神科医。仕事はぼちぼち。ピアノのおけいこ、読書、お酒、その他の日常を記して行きたいと思います。

2024年はベートーヴェンのソナタの泥沼に入り込んでしまい、ヨタヨタ弾くだけでレッスン時間の大半を費やしてしまい、散々であった。今年はまずはバッハの平均律の易しめの曲に挑戦することにする。

 

平均律1巻2番

プレリュード 以前も挑戦したのだが、あまり弾けた感じがなかったため、再度取り組むことにした。平均律の中でも特に好きな曲であり、ある程度弾けるようになり、普段から楽しめるようになりたいものである。

 

 

弾けもしないくせに楽譜は複数持っている。なおざうには全音の古くからある楽譜の運指が弾きやすい。指の細かい組み換えが少なく、2回ずつ繰り返されるアルペジオを決まった指で弾くことができる。最初は手を広げて弾くのが大変だったが、慣れてくると手の力を抜いて弾けるようになり、余裕を持って指が届くようになってくる。練習曲としても有用である。

最初の4小節のⅠ‐Ⅳ‐Ⅴ‐Ⅰの和音の基本進行の後、2小節ごとに音が下降。9小節目位から長調の響きがでて光が差したかと思うと16小節目位にはまた主調(ハ短調)に戻る。18小節目、3拍目初めの左手の16分音符はCではなくB♭としている版もある(ヘンレ版がそうらしい)。この方がこの小節だけ2回繰り返さず変化していて、面白いかもしれない。19小節、20小節と右手の音型が変わりその後上がっていく。19小節目はしっかりfで弾くこと。25小節から27小節は一本の旋律となるよう、左手と右手の音色が異ならないように弾く。28小節から33小節、Prestoとなり、テンポを上げるのだが、なおざうの実力では限界がある。跳躍があるし、左手につい力が入ってしまう。右手と左手がカノンになっていることを理解すると、少し弾きやすくなるかな。この部分が弾ける速さによって、他の部分の速さも決まってくる。最初から頑張って速く弾いてしまうと、Prestoの部分との差がつけられなくなってしまう。34小節、35小節はレチタティーヴォ風に。その後の4小節は、それほど速く弾かない奏者もいる。次のフーガに繋がる気分で弾く。この曲は何度弾いても飽きない。一曲の中での変化もあるし。暗譜してさらっと弾けるようになりたいなあ。

 

フーガ 平均律の中では構造が明確で弾きやすいフーガである。とは言っても、前回挑戦した時はアナリーゼが不十分で音を並べるのが精一杯だった。

 

 

全体は4つの部分にわかれる。第1部。中声、上声、下声の順にテーマが提示される。テーマの提示の後、5小節目から6小節目、9小節目から10小節目にゼクエンツが続く。8小節目、3拍目からが弾きにくい。9小節、10小節目、左手16分音符が跳躍する。すばやく移動するのが大変。第2部、11小節から12小節で転調したテーマが提示され、13小節から14小節のゼクエンツ、右手の上昇を繰り返す16分音符と左手の8分音符の和音の対比が面白い。楽譜には左手のアーティキュレーションが指示されているが、指示通り弾くのは大変である。右手が最高音のCに到達するので、ここで盛り上げて第3部へ。15小節から16小節、右手で上声、中声を弾くが、中声にテーマが出てきており、1の指を軽快に動かすのが難しい。その後の17から19小節目のゼクエンツ、右手と左手が掛け合うようで面白い箇所だが易しくない。さらに20小節、21小節も、左手で一瞬2声を弾かなければならない部分とか、右手の1の運指の連続とか、弾きにくい部分が多い。その後、ほっとした所で、22小節から24小節には左手の跳躍がある。この第3部ではゼクエンツが3小節に拡大している。25小節26小節、属音から始まる左手の16分音符が連続し、いよいよ終わりのムードがでてくる。第4部、26小節目後半から、バスでテーマが堂々と出る。この部分、途中まで右手はテーマとは同調せずに勝手にやっている感じがあって面白い(が弾きにくい。)28小節目、4拍目の8分休符を大切にすること。そして29小節後半から上声にテーマが出て厚い和音で終了。

細かく曲の構造を理解して、難所を繰り返し練習して、ようやく通して弾けるようになってきたが、まだ難所や跳躍の部分でテンポが遅れてしまう。それでも、ようやく平均律にまともに取り組めたように思う。この曲も普段から繰り返し弾こうと思う。

 

しばらくは平均律に挑戦する予定である。