専門病院の前の薬局でしか扱わないかも知れない薬剤の発売が続きます。

6月1日に、 MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん治療薬、テプミトコが発売されました。この、適応症の名前を見るだけで「???」となります。

 

(Clinical Cloud)

https://diweb.medipal.jp/diweb/new_release/detail/1590711075

 

(新薬情報オンライン)

https://medicalcampus.jp/di/archives/718

 

日経DIには掲載がありませんでした。

 

さて、まず気になるのは、肺がんの分類ですよね。正直、私は、詳しく知りませんでした。

 
●非小細胞肺がん
 ○扁平上皮がん……肺の入り口近く……ほとんどが喫煙者
                            (肺がん全体の25~30%)
 ○非扁平上皮がん
   ・腺がん…………肺の奥のほう………女性や非喫煙者の肺がんに多い、症状が出にくい
                            (肺がん全体の50%)
   ・大細胞がん……肺の奥のほう………大きな細胞からなり増殖が速いことが多い
                            (肺がん全体の数%)
 
●小細胞肺がん……肺の入り口近く………ほとんどが喫煙者、細胞が小さい、転移しやすい
                            (肺がん全体の10~15%)
 
※参照資料

https://ganclass.jp/kind/lung/type/type.php

https://oncolo.jp/cancer/lung-type

https://www.haigan-tomoni.jp/know/about_lung_cancer/type/

 

肺の入り口近くの肺がん(扁平上皮がん、小細胞肺がん)は、喫煙との関係が大きいようです。

最も多いのは、肺腺がんで、これは喫煙に関係なく発症します。肺がん全体の50%を占めるそうです。

 

非小細胞肺がんのうち、非扁平上皮がん(腺がん、大細胞がん)の初回化学療法は、がんの遺伝子状況により、適した薬剤が使われます。非小細胞がんに適応のある薬剤の適応症に「○○遺伝子」という言葉が出てくるのは、そのためです。

 

・EGFR遺伝子変異陽性→ジオトリフ、タルセバ、タグリッソ、イレッサ、ビジンプロ、

・ALK融合遺伝子陽性→アレセンサ、ザーコリ、ジカディア、ローブレナ

・ROS1融合遺伝子陽性→ロズリートレク、ザーコリ、

・BRAF遺伝子変異陽性→タフィンラー+メキニスト

・MET1遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性→テプミトコ

 

内服薬だけでもこんなにありました。絶対に覚えられません。

以上の遺伝子に変異のない場合は、ここでは触れませんが、点滴の抗がん薬など使用するようです。

 

上記、遺伝子変異の中で、最も多いのはEGFR遺伝子の変異で、約半数を占めるとのこと。

テプミトコのMET1遺伝子エクソン14スキッピング変異は、約3%とのことなので、割合としては少ないです。

ちなみに、これらの遺伝子は、細胞増殖因子依存性のシグナル伝達に関わるものです。

 

それでは、薬剤情報です。

 

○テプミトコ錠250mg(成分名:テポチニブ)

 

【効能・効果】

MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん

 

【用法・用量】

通常、成人には1回500mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

※食事の影響を受けるので「食後」となっています(「食事の影響」を参照)。

 

【用法及び用量に関連する注意】

他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

 

【重要な基本的注意】

間質性肺疾患があらわれることがある。

肝・腎機能障害があらわれることがある。

 

【薬物動態-食事の影響】

健康成人(12例)に本剤500mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるテポチニブのCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均値の比は、それぞれ2.00及び1.63であった。

※空腹時では効果が下がる可能性があるということですね。

 

なお、「服薬指導のエッセンス」には「食事の影響を受ける薬剤(食後投与)」の表を掲載しています。

テプミトコを追加しておいて下さい。

それにしても、抗がん薬には、食事が影響するものが多いですね。服用タイミングにより効果に差が出る可能性がありますので、患者さんにしっかりと伝えたいと思います。

 

 
     
    なお、副作用など詳細は添付文書をご確認下さい。
 
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※「服薬指導のエッセンス改訂第3版」が発売中です。

自費出版のため、広告媒体がありません。

東京図書出版のHPで立ち読みもできますので、よろしくお願い致します。

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