続々と新規医薬品が発売されていまして、こちらも多少、息切れを起こしそうです(苦笑)。

さて、5月26日に、去勢抵抗性前立腺がん治療薬ニュベクオが発売されました。

 

(Clinical Cloud)

https://diweb.medipal.jp/diweb/new_release/detail/1584598773

 

(日経DI)

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/202003/564753.html

 

(新薬情報オンライン)

https://medicalcampus.jp/di/archives/383

 

去勢抵抗性前立腺がんに適応のある薬剤(新しいもの)は、ニュベクオを含めて全部で4種あります。

・アーリーダ:遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん、遠隔転移を有する前立腺がん

・イクスタンジ:去勢抵抗性前立腺がん、遠隔転移を有する前立腺がん

・ザイティガ:去勢抵抗性前立腺がん、内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前立腺がん

・ニュベクオ:遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん

 

んー、「何やねん?」という印象です(苦笑)。

 

去勢抵抗性前立腺がんについては、前掲のHPで詳しく記載されています。

ざっくりと書くと、

 

・前立腺がんは、男性ホルモンのアンドロゲンにより増殖するので、アンドロゲンを除去する

(= androgen deprivation therapy:ADT)

 

・現在のADTは、薬剤により去勢状態にする(=内科的去勢術=ホルモン療法)

 …LH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン=皮下注)

        →アンドロゲン↓

 …GnRHアンタゴニスト(ゴナックス=皮下注)

        →アンドロゲン↓

※LH-RHアゴニスト、GnRHアンタゴニストは、脳下垂体に働きかける(詳細説明を避けます)。

 

 +抗アンドロゲン製剤(プロスタール、オダイン、カソデックス=内服)

        →がん組織のアンドロゲン受容体を阻害

※LH-RHアゴニスト、GnRHアンタゴニストと抗アンドロゲン製剤を併用することがある(CAB療法)。

 

・ADTを実施しても病状が悪化する前立腺がんのことを「去勢抵抗性前立腺がん」という

 

去勢抵抗性前立腺がんに適応のある上記4種のうち、アーリーダイクスタンジニュベクオは、アンドロゲン受容体を阻害するとともに、アンドロゲン受容体の核内への移動を阻害、アンドロゲン受容体のDNAへの結合を阻害する作用を持っています。
ちなみにザイティガだけは全く異なる作用機序を持っており、アンドロゲン合成に関与する酵素であるCYP17を阻害します。
 
(ニュベクオの作用機序-インタビューフォームより)
※アーリーダ、イクスタンジのインタビューフォームにも同様の図が書かれています。
(ザイティガの作用機序-インタビューフォームより)
以上で、何となくイメージできたでしょうか?(雑ですいません)。
 
残念ながら、アーリーダ、イクスタンジ、ニュベクオの違いについては、現状、勉強不足です。
ちなみに日経DIには、ニュベクオは「既存の薬剤とは異なる特徴的な化学構造(極性基を有するピラゾール環など)を有しており、ARと高い親和性で結合して強力な阻害作用を発揮する」との記載がありました。
また、アーリーダイクスタンジは、痙攣のリスクがあるので、てんかん既往患者さんには注意が必要ですが、ニュベクオにはそのような注意喚起は今のところありません。
 
それでは、薬剤情報です。
 
○ニュベクオ錠300mg
 
【用法・用量】
通常、成人には1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
※食事の影響を受けるので「食後」となっています(以下に詳細記載)。
※ニュベクオは1日2回ですが、アーリーダ、イクスタンジは1日1回です。
 
【用法及び用量に関連する注意】
外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していない。
外科的又は内科的去勢術と併用するということですね。アーリーダ、イクスタンジ、ザイティガも同様です。
 
【薬物動態-食事の影響】
遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者6例に本剤600mgを食後に単回経口投与したとき、AUClast及びCmaxは、空腹時投与と比較して、それぞれ2.5及び2.8倍に増加した。
空腹時に服用すると、効果が下がる可能性があるということですね。
 
「服薬指導のエッセンス」には、「食事の影響を受ける薬剤(食後投与)」の表を掲載しています。
ニュベクオを追加しておいて下さい。
少し長くなってしまいました。併用注意、副作用などにつきましては、添付文書を参照して下さい。
 
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※「服薬指導のエッセンス改訂第3版」が発売中です。

自費出版のため、広告媒体がありません。

東京図書出版のHPで立ち読みもできますので、よろしくお願い致します。

https://www.tokyotosho.co.jp/info/syu/y10.html

購入された方でお勧めできると思っていただけた際には拡散をお願い致します(苦笑)。

 

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