飼い主さんが 歯を少しでも勉強している動物病院の見分け方は この2つ! | 獣医師りえの犬猫の心と歯・皮ふ・耳のブログ

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ハミルザ動物病院院長
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犬猫健康歯と耳で決まりがモットー!

飼い主さんが 歯を少しでも勉強している動物病院の見分け方は この2つの道具です!

 

・歯科専用レントゲン

こんな写真が撮れるやつ

・高速タービンなどがセットになっているデンタルユニット

 

うちは、京都にあるモリタさんのデンタルユニットを

モリタさんが丁寧に修理しつつ、まだ現役で使っています

 

もう 25年は使えています。

 

 

私のブログを読んでくださっている、飼い主さんの中には

これを よく知ってくださり、

動物病院のホームページーをチエックした上で

 

『この2つはその動物病院にあったのですが、

診察してお話をきくと

あまり 歯について詳しくなかった気がして

ここに来ました』と言ってくださる

ありがたい方もおられました。

 

感謝です。

私も、25年位まえに

この2つを買うのに

どれだけ 躊躇したか。

 

 

当院の仔犬子猫さんから、来院されている場合

初めての予防歯科PMTCは、

1歳半から2歳半までに最初の予防歯科を推奨

です。

歯石はついてても、ついてなくても関係ありません。

 

歯磨きをしていても、してなくても関係なくやります。

人より弱い、歯と骨を持つのか

犬猫達なので、歯周炎になりやすいのです。

さあ そこで復習

 

歯周病は歯石でなるのではなく、歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)という菌塊でなります

 

歯石には二種類あって

見えている歯石⇒歯肉縁上歯石で、飼い主さんが気にしているのはこちら。

歯科を専門とされてない、またはあまり詳しくないと思われる驚き,獣医さんが

『まだ歯はキレイですねー』というのは

ここを指しておられると思います。

 

見えてない歯石⇒歯肉縁下歯石と言います。

歯周炎は歯石でならないとはいえ、

歯石があるとそこに歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)が上下に

つきやすくなるので,歯石はもちろん

じゃまなので除去しますが

歯石があっても歯周病になってない犬猫や人も

います

 

大切なのは,どんな悪い歯周病菌をもらっているかじゃないかな

と感じています

 

でも、人もだけど、どんな悪い歯周病菌をもらって居ても

 

・本人のプラークコントロール

・うでの良い歯医者さんや歯科衛生士さん

で随分かわります

 

歯周病は歯肉炎と歯周炎に分類されます

 

歯肉炎は 歯肉=はぐきが赤くなる病気で 歯磨きや クリーニングでもとに戻る炎症

 

歯周炎は 歯を支えている 骨や歯根膜が歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)=歯周病菌の軍団で炎症をおこしたり、腐ること

 

だから、見えてる歯石は気にせず、予防歯科をスタートさせてきました。

 

この2歳半は私がアメリカ獣医歯科専門医の先生から

歯科を学び始めた頃、どうしても歯石の付き方で

飼い主さんに スケーリングを勧めてしまっていたのですが

アメリカ獣医歯科専門医の先生は

 

1歳すぎたら いつからでも

PMTC予防歯科をはじめるべき

 

と言われても、当時の若くて気の弱い私は笑い泣き

なかなか 飼い主さんに 言っても

『なんで歯がキレイなのに 歯石とりしないといけないの?』と

いわれても、論破できなかったのです。

 

仔犬からきている、わんちゃん達を

少しずつ年齢をさげて、麻酔して歯をやっていっていた頃

 

しつけ教室に来ておられた

3歳ちょうどの 2キロのプーどるさんを麻酔して

やったところ、前歯が重度の歯周炎で抜歯になってしまったのでした。

 

すると、その飼い主さんは 2度と来なくなってしまい、

知人のしつけ教室に行ってしまったのです。

 

その後、そのわんちゃんは 晩年目の下に穴があいたまま

亡くなったとお聞きしまし。

うちには,もう来院することはありませんでした。

 

当時のワタシの説明も稚拙で、トラウマを飼い主さんに

与えてしまったのでしょう。

 

それから 私は、歯石と関係ない!と強く感じるようになり

少しずつ,年齢を引き下げていき

今の2歳半までに!

と考えるようになったのです。

 

当院では,2歳までに 最初の予防歯科PMTCをやることが

ほとんどになっています。

 

色々書きましたが、人も犬猫も

同じ動物なのですよ

 

なんで、犬だけ 猫だけ歯医者さん抜きで

暮らせると思うのでしょう

 

 

歯が悪いと気がついて来院された飼い主さんは

『私がなんの知識もなくて、可哀想なことをしました!』

とおっしゃるけれど

 

かかりつけの獣医さんに

『歯石はまだついてませんね』

とか 口を診て言われつづけたら

歯石で歯周炎ってわかるんだって 

飼い主さんたちは 本気でおもってしまいます。

 

そして,歯石がついたら

程度のさはあれど歯の基礎知識をしることなく

歯周炎を診断するための

この2つ

 

・プロープ

・歯科レントゲン 

 

の道具やそれを使う知識ももたず

 

超音波スケーラーで歯石だけとって

のことが多いから

 

『歯はキレイになりましたよ』

と歯周炎のレベルをお伝えしたり

一つ一つの歯の歯周炎や歯肉炎についてお話せず

 

麻酔をしても、しなくても

『歯石をキレイにしました』とお伝えすると

 

飼い主さんは それで犬猫の 歯のケアは良いんだ

あとは ブラッシングがんぱろー!

って思われちゃうのは仕方ないです

 

人だと外科や内科の先生が

歯石をとっておられる感じだとおもっていただけたら

と思います

 

難しい処置はできなくても、

歯石除去をするなら

歯垢=プラーク=歯糞(はクソ)と

見えている歯石⇒歯肉縁上歯石と

見えてない歯石⇒歯肉縁下歯石の違いは知っていただきたいし

 

そのほかの

最低限の歯の基礎知識は せめて知っていただきたい

 

例えば

 

 

・歯の構造

・乳歯の本数や生える時期

・永久歯んの本数や生え変わる順番

・仔犬の時の歯や口の腫瘍や異常の見つけ方

 

・歯周炎と歯肉炎のち外

・歯周炎の検査の仕方

・歯科レントゲンの撮影と読影

 

・歯科で使う道具や材料について

 

じゃ おまえは どんな勉強をしたんだよって

聞かれるのは 当然ですね。

それは,また別のブログで書きますね。