次男が幼稚園の年少組に入って
少し時間が取れるようになったので
短時間で短期間のパートへ出ることにした
パートとは言え
仕事をするのは9年ぶり
今までは常に
傍に子どもがいたけど
1人の人間として
社会に再び出る新鮮な気持ちと
高揚感でいっぱいだった
仕事はCDをセットする軽作業
一時的に人手が足らず
友達から声を掛けてもらった仕事だった
10時から幼稚園のお迎え迄なので
ほんの僅かだし
軽作業だけど
1人の人間として
又社会に戻ったと言う小さな喜びがあった
夜、夫が帰宅してから
夕飯を食べる時にその日のパートの話を
うきうきしながら喋っていたあたし
こんな事があってね
あんな事があってね
ああだったんだよ
こうだったんだよ
それでね…
それなのに
夫は
あたしの方は見ないで
TVに目がいってる
あたしの話に相槌を打つこともなく
TVを見ながら夕飯を食べている
あたしのやっている作業はそりゃあ大したことのない仕事だよ
それでも自分のお小遣い位は稼いでくれると助かる‥と言うあなたの発言もあってパートに行き始めたのに…
久しぶりに社会に出たのに…
久しぶりに子どもの居ない新しい世界に
足を踏み入れたのに…
久しぶりにワクワクしているのに…
久しぶりに……
久しぶりに…
あたしが結婚生活で
ずーっと
大事にしたかった
求めていた
「スキンシップ」も「会話」も
成り立たないのか
この人は会話さえ………
これまで
必死に踏ん張っていたのに
糸が切れた
沸点に達した
絶望…
[これが家庭内別居突入の決定的なものになった]
なんであたしの話を聞いてくれないの!
あなたにとっては大したことのない仕事でも
あたしにとっては久しぶりの仕事だからどんな事をしたのかどんな人たちがいるのかどんな雰囲気だったのかただただ聞いてもらいたかったのに!
もう本当に絶望した
セックスも出来なきゃ
会話も出来ないのか
コミュニケーション全く取れない奴じゃないか
食事中にTVを見るのはやめようよ
ご飯の時は会話しながら食べようよ
新婚の時から望んで言っていたけど…
あたしの話を聞いてよ…
話しようよ…
もう本当に絶望……
そして
もういいよ
もうあなたとは何もかも合わない
もう知らない
と怒鳴って二階へ上がった
翌日広げた新聞に油性マジックで
何かを殴り書きして
リビングのテーブルへ
バサっと置いた記憶がある
何を書き殴ったのか覚えていないが
この日から
大事な子ども達を巻き込んで
長い家庭内別居が始まった
つづく