玉ノ井親方  視点


負のスパイラルに陥っている霧島 

開き直るしかない

 
突き落としで霧島を破った宇良
(手前)


◇大相撲春場所3日目
2024年3月12日
 エディオンアリーナ大阪



 霧島はやることなすこと全てが裏目に出てしまっている。初日に阿炎に引き落とされて歯車が狂い始めた。前日はまわしを欲しがって、巨体の熱海富士にいきなり組みにいって中に入られ、寄り切られた。この日は大きくない宇良が相手だったのに突っ張って応戦。低い姿勢の宇良に合わせるように自分の体勢も低くなり、最後は窮屈な形になって足が出ず、突き落とされてしまった。

 ケガをしているわけではないし体も動いているのに結果が出ないのは、気持ちの問題だけだ。大関は常に優勝争いに絡む成績が求められる。他の三役とは責任の重さが違う。だから、負けが続くと勝ちたい気持ちばかりが強くなって上体に力が入り、足がついていかなくなる。そういう負のスパイラルから抜け出すには、思い切り当たって負けても仕方がないと開き直るしかない。

(元大関・栃東 
スポニチ本紙評論家)


 





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