今夜の「光る君へ」、サブタイトルは「放たれた矢~まひろ宮中へ 道長は…」だった。

 

藤原伊周が自分が通っている女に花山院が横恋慕していると勘違いし、花山院に矢を放つ。花山院は藤原為光の四女、藤原伊周は為光の三女と付き合っていた。為光の四女は花山院の亡き妻よしこの妹だ。

私は、この騒動は「殴り合う貴族たち」(繁田信一 文春学藝ライブラリー)という本で知った。この騒動を発端として藤原伊周、藤原隆家の従者が法王の従者を二名殺害し、その首を持ち去るという事件を巻き起こしている。本を読むと、花山院に弓を射るというのは、従者を殺害して首を持ち去るという凶行より余程、重い犯罪行為らしい。

 

花山院という人も民衆のことを考える天皇だったようだが、一条天皇の、母と嫁の狭間の苦悩に比べるとなんとなく間抜けさがつきまとう。寛和の変にしてもなんとなく間抜けだ。花山院も一条天皇も、帝だから、ノーブルさはたまらなくある。ドラマを見る前は平安だからのんびりしたドラマなのかなと思っていた。しかし興味をもって本を読んだりするにつれ、髪は年に一回しか洗わないだの、男性は厠はあるが、女性はツボみたいのに用を足していただの知ると、都中かなり匂っていたんだろうと思う。そりゃ天然痘も流行るだろう。匂いにかけたダジャレじゃないが、相当人間臭い大河ドラマだと思う。

 

ドラマは弓を射かけるところはやるだろうが、その後の従者の殺害までやるのだろうか。