今では若手ライターの登竜門になっているヤングシナリオ大賞。
「今度新設するので、ドラマの企画とキャスティングを」みたいな課題。
のちに野島伸司などを輩出した一般公募のシナリオコンテスト。
これがのちにドラマのフジテレビと呼ばれるきっかけになっていく。
締め切りが1週間程度だったと思う。
いの一番に書こうと思った話がある。
そう、記憶をたどるうち、あの話、少し前にタイトルをノートか何かに書いてた記憶があった。
ということは、企画の話を聞いてから考えた話じゃないに違いない。
多分おおよそのあらすじみたいのが決まってて、タイトルだけメモ書きしてたやつだろう。
タイトルが「エトセトラボーイ」だった気がする。
ちょっと違うかもしれないが、エトセトラは間違いない。
エトセトラとは「その他」ということ。
その他大勢にしかなれない若者の、葛藤を描く群像劇を書こうと思ってた気がする。
企画って、時間があるし、話そのものを書こうと決め、小説を書き始める。
最初はそんなに焦っていなかったはずだから、多分、1日20枚程度しか書いていないであろう。
ただ最後のころ絶対間に合わないと追い詰められて、出す寸前まで書いてた記憶があり、その日書いたのが、原稿用紙80枚。
そう、今までで一番書いた枚数だ。
しかも手書きで指が痛くなっていた。
そうやって考えると、多分200枚程度の話ではないだろうか。
とにかく締め切りに追われ、読み返す時間もなかった。
まあどうせ「そのうちフジで仕事をするだろうし、その時に直せばいいや」とあの時は思っていて、とりあえず締め切りを下ろさず、話の内容がちゃんと伝わればいいと思っていた。
話の内容はいわゆる群像劇。
実際一番得意なジャンルじゃないかと思っている。
高校卒業か、大学卒業したての男女の話ではなかったろうか。
主な登場人物は6人いて、男3人と女3人の話。
それぞれの話が平行に進んでいき、それぞれの葛藤を描く内容である。
主役は男。
話を考えていくときに一番の盛り上がりポイントとして、登場人物が自殺するシーンがある。
確かミュージシャン志望で、夢をあきらめざる終えず、自殺するんじゃなかったっけ。
文章でどんな話か書いてもいまいち伝わらないだろう。
まあ、一番わかりやすくどんな話か説明すると、「愛という名のもとに」みたいな話と書いたほうが伝わる気がする。
最後のシーンで多分、ジョージルーカスの「アメリカングラフティ」みたいな誰々が数年後、何をしているみたいな感じにしたような気もするが、定かでない。
アメリカングラフティじたい、あんまり覚えてないのだが、映画が終わって、その後、登場人物がどうなったかというのがすごい記憶に残っている。
それをあえて真似た気がするんだけど、はっきりしない。
その話を書き終えてキャスティングを決めるとき、とりあえず頭にあったのは、売れてるタレントはいらないということだった。
まあ自意識過剰なんでしょうね、話が面白ければ、出てる奴なんて、だれでもいいと思ってた。
ただ、一人は売れっ子が主役を張らないと企画としてダメだなと思い、主人公は当時売れっ子だった田原俊彦にした。
なんとなくとしかいいようがないのだが、主役はそれでいいやと思った。
メインの女子を誰にしたか、いまいち記憶が曖昧だ。
はっきり言って覚えていない。
一応候補にいたのが鷲尾いさ子だったのだが、別の人にした。
それが誰か思い出せない。
キングカズの嫁さんになる設楽りさ子だったっけ?
なんか違う気がする。
とにかく全然有名じゃない人っていうのが頭にあった。
脇役は女子から決まった。
今井美樹だ。
当時MCシスターズのモデルで、村上里佳子とよく一緒に出てたんじゃないだろうか。
妹が村上里佳子のファンだったので、知っているのだが。
よくあるパターンで、その少し前にドラマの主役に選ばれ、女子プロレスラーの役か何かをやっていた。
ドラマは山田太一がシナリオを描くというので話題にはなったが、こけた。
そして映画でヌードになったという話を聞いたばかり。
別に今井美樹がすごいタイプというわけではなかったのだが、これはいわゆる雑誌で人気が出たタレントがドラマでこけ、脱がされて、消えていくというあの頃の定番のコースを歩んでいるように感じた。
今のようにチョイ売れのモデルがどんどんドラマにでて、人気を上げていく時代ではなく、モデルは地位が低く、ドラマなんかに来るなみたいな扱いをされていた時代である。
個人的にはもっとドラマにモデルをと思っていた人で、役者ってそんなに格好良くなくても、二枚目俳優だったり、美人女優扱いされてる気がしていた。
だからそんな人気に左右されるんじゃなく、本当のイケメンや、美女が役者になればいいのにと感じていた。
そこで他業種からのドラマ参戦を後押しし続けていた。
しかしどうもモデルが役者にというパターンが定着したのは実際ほんの最近だ。
なんか与えられる役もなんか変な役ばかりだし、役者業界自体がモデルやアイドルなんかが役者の真似事をするなみたいのがあった気がしてしょうがない。
だからこその田原俊彦であり、今井美樹、村上里佳子なのだ。
今でも感じるのだが、どうしてあんなにアイドルドラマってつまらないんだろう。
ファンはタレントが出てればそれでいいのか。
そんな気がしてしょうがない。
当時のフジテレビのドラマはそんなのばかり。
本当につまらなかった。
ちゃんとしたシナリオに異業種で勝負したい。
そう思ってのキャスティングだ。
で、今井美樹村上里佳子はMCシスターズ。
あと残りの男子は、当時たまたまテレビで見たABブラザーズ。
シスターとブラザーのダジャレだけで、キャスティングした。
だからABブラザーズがどんなネタをやってるのかも実は知らなかった。
ABブラザーズ。
その一人が中山秀征。
全く無名のコメディアンである。
実にこのキャスティングの後、「夕焼けにゃんにゃん」の司会に抜擢される。
これは間違いなくこのシナリオのキャスティングを参考にしたのは間違いない。
実際、言い訳するフジテレビの人が、それを口にしたことがあるから間違いないであろう。
とはいえ、何度目の言い訳の時かわからない。。
とにかくあたりがざわつくと言い訳ばかりするが、実際に何かしたことはない。
自分は悪くないんだという言い訳を誰にしてるのか?
少なくとも私ではないな。
何か問いただされた時のために、言い訳でもしてるとしか思えない。
それともざわつく周りが追及を始める前に火消しをしてるのだろうか。
だとしたら、一度も突き上げを食らってないのだから成功しているのか?
あと、チョイ役みたいな女子がいたのだが、そこは3人ぐらいあげている。
石野陽子を書いたのは覚えているが、他は覚えていない。
とりあえず、そんなに売れてないタレントたちのキャスティングが完成し、原稿を送りつける。
その後、今井美樹はミュージシャンになりヒットするのだが。
当時は今の阿部寛や、風間トオルみたいのがドラマに映画にと出始めるが、なんか今一つ評価は低かった。
やっぱ、モデルは無理かと思いながら、日ごろテレビになかなかでないミュージシャンに目をつけていた。
歌がうまい人は、演技がうまいという持論なのだが、なかなかテレビに出たがらないアーティスト系のミュージシャンがドラマに出たら面白いのにと、結構頻繁に口にしていた。
そのせいか、そのせいじゃないのか。
多分、そのせいだろうが、ミュージシャンがいっぱいドラマに出るようになっていく。
その中の一番の成功者が福山雅治なのだろうが。
当時は福山雅治の変なしゃべり方が気になってしょうがなかった。
本人に聞いたことはないのだが、あれって、佐野元春の真似してるんじゃないのって、思っている。
まあそれは余談なのだが。