引退前にもう一度、球場でイチローを見る。
 
 
 
これは僕がずっと実現させたかった
願望リストの一つだ。
 
 
 
願えば叶う。
 
 
 
3日前、
何気なくLINEニュースを眺めていたら、
どうやらシアトルマリナーズが
日本で開幕戦を行うらしいことがわかった。
 
 
 
そしてなんと、開幕前に、
我らが巨人とオープン戦を行うらしいじゃないか。
 
 
 
すぐに予定表を確認する。
 
 
 
行ける!
 
 
 
チケット、、空いてる!
 
 
 
小学校4年の時に、おじと一緒に
オリックス時代のイチローを見て以来、
実に22年ぶりの生イチローだ。
 
 
 
 
試合開始まで、
なんだかんだ予定が詰まっていたので、
40分前くらいにローソンに到着し、
ルンルン気分でロッピーへ向かう。
 
 
 
 
しかし、そのルンルン気分は、
一瞬にして打ち砕かれ、背筋は凍りつき、
冷たくじっとりとした冷や汗が体全体を
まるで望んでいない祝福をするかのように
侵食していったのだ。
 
 
 
 
ロッピーは誰かがチケットか何かの操作をしていて、
使われている状態だった。
 
 
 
ちょっと操作に手間取っているようで、
空くまでに少々時間がかかった。
 
 
 
試合開始(40分後)まで
そこまでゆとりがあるわけではないので、
内心「おーい早くしてくれーい」と思ったが、
タクシーで20分程度で行ける距離なので、
まだまだ大丈夫だ、まあいいだろう。
 
 
 
 
結局5分以上待たされ、ようやく空いた。
 
 
 
 
時間を無駄にしないように、
並んでいる間に何度も
シミュレーションをしたので、
僕が手間取ることはまずないだろう。
 
 
 
1、左下の「ローチケ」ボタンを押す
2、チケット引き取りを選ぶ
3、予約番号を入力する
4、電話番号を入力する
5、引取券をレジで渡す
 
 
 
 
完璧なまでのシミュレーションだ。
 
 
 
たやすい。実にたやすい。
 
 
 
手間取る理由が見当たらない。
 
 
 
入力さえミスらなければ、
1分といらないだろう。
 
 
 
強いてあげるなら、3が一番の関門であろう。
 
 
 
なので10桁の予約番号を、
これ以上なく慎重に丁寧に入力する。
 
 
 
そして、何度も確認する。
 
 
 
完璧だ。
 
 
 
あとは電話番号を入力するだけ。
 
 
 
 
堂々と入力を終えて、確認ボタンを押す。
 
 
 
 
「お客様が入力された予約番号と
電話番号が一致しておりません」
 
 
 
 
???
 
 
 
 
おいおいロッピーくん、笑わせるな、
そんなはずないじゃないか。
 
 
 
一体何度シミュレーションしたと思ってるんだ。
一体どれだけ慎重に入力したと思ってるんだ。
 
 
 
アホかと思うくらいゆっくり入力したわ。
 
 
 
まあそんなことを彼に言っても仕方ない、
ここは僕が大人になってもう一度入力しよう。
 
 
 
より一層、この入力で
世界の運命が決まるくらいの気持ちで、
絶対に間違えのないように予約番号を再入力する。
 
 
 
何度も何度も指差し確認をして、
間違えようのない状態で入力を終える。
 
 
 
 
「お客様が入力された予約番号と
電話番号が一致しておりません」
 
 
 
 
???
 
 
 
 
なるほどね、これが不穏ってやつね。
 
 
 
 
え、待って、全然わかんない。
ぜんっぜんわかんない。
 
 
 
っていうか人待たせちゃってるし。
 
 
 
こういうの焦るし。
 
 
 
 
一旦、次の人に譲る。
 
 
 
できていないのバレるの恥ずかしいから、
何でもない顔して譲る。
 
 
 
できていない要因を考えるが、
考えられる要因が極めて少ない。
 
 
 
 
・ちゃんと予約できていない
→いや、ちゃんとできてる
 
 
 
・電話番号の入力を間違える
→これまで何千回と電話番号見てきて、
間違えるはずがない
 
 
 
もうこれくらいだろ。
 
 
 
 
カスタマーサービスに電話を入れる。
 
 
 
悲しいほど無機質な機械音が、
今混み合ってる旨を絶望的に伝える。
 
 
 
その徹底して無関心な機械音は、
時間がないとか私には関係ありませんけど、
というようなスタンスを頑なに守っていた。
 
 
 
おそらく日本人の大半が
今この瞬間にチケットに苦しんでいるのだろう、
この無限混み合い地獄が解消されそうな気配は、
彼からは少し足りとも感じることはできなかった。
 
 
 
こりゃダメだ、日が暮れる(もう暮れてるけど)。
 
 
 
試合開始まで20分。
 
 
 
タクシーで行って、
ちょうど試合開始くらいの時刻だ。
 
 
 
しかしまだチケットが取れない。
 
 
 
 
僕はこんなにあっけなく、
イチローを諦めなければならないのだろうか。
 
 
 
今年で45歳。
 
 
 
あのイチローだって、
そう長くないうちに現役を退く可能性だって、
なくはないのだ。
 
 
 
その間にまた日本に来てくれることは、
あるいはもうないかもしれない。
 
 
 
今日が最後のチャンスかもしれないのに。
 
 
 
なぜ僕はこんな時にローソンで
1人で立ちすくんでいるのだ。
 
 
 
悲しい。本当に悲しい。
 
 
 
ここは僕がいるべき場所じゃない。
 
 
 
早く、あの華やかな球場に行きたいのに。
 
 
 
僕が一体何をしたって言うんだ。
 
 
 
チケット買ったのに取り出せないって何だよ。
 
 
 
 
もう一度、登録時の確認メールを見てみる。
 
 
 
登録した電話番号の数字が、一つ抜けていた。
 
 
 
 
僕のミスだった。
 
 
 
 
その歯抜けのような電話番号を、
ロッピーくんに打ち込むと、
彼はニッコリと優しく微笑んで、
 
 
 
「キミの欲しいチケットはこれだよね」
 
 
 
と、巨人対マリナーズを表示してくれた。
 
 
 
 
 
あぶねー!!!
 
 
 
 
急いでタクシーに乗り込み、
ギリギリで東京ドームに到着。
 
 
 
しっかりとイチローの勇姿を
この目に焼き付けることができた。
 
 
 
 
 
 
本当にかっこよかった。
 
 
 
無事に行けて、本当によかった。
 
 
 
 

 

 

追伸:

 

メルマガは完全にリニューアル。

 

93ページものレポートを

ご登録いただいた方全員にプレゼントします!

 

 

内容は、僕の唯一の高額講座、

「コアプロジェクト(=通称コアプロ)」での講義を

新たにレポート用に書き起こしたものです。

 

 

コアプロのテーマは、

 

・願望実現

・ビジネス

・パートナーシップ

・ライティング

・ライフスタイル

・スピリチュアル

 

の6つで、

 

どれか一つでもピンとくるテーマがあれば、

ぜひじっくり読んでみてください^ ^

 

すでに読んでくださっている方の中には、

感動して涙を流したという方や、

たくさんお礼を伝えたくて

動画で10分にも渡る感想を送ってくれた方や、

生まれて初めて感想メールをくれた方

などもいらっしゃいます。

 

このレポートを通じて、

あなたの人生にも何かのきっかけになれば嬉しいです^ ^

 

→ http://naokinorota.biz/mailmaga/

 


野呂田直樹公式メールマガジン「Stay Creative,Stay Free」

週1回配信!野呂田直樹公式メールマガジン

 

  

書籍のご紹介

たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる!

たった一つの偶然から人生は劇的におもしろくなる! 〜「人、お金、成功」が舞い込む世界一シンプルな絶対法則〜

 

あなただけの成功法則の作り方」

「あなただけの成功法則の作り方」