こんにちは。育児真っ最中の子宝カウンセラー
ダイエットカウンセラー・認定薬剤師の直田弥丈です。
お盆で帰省中、夏休みという方も多いと思います。
去る7月28日(土)の午後9時からNHKスペシャル「ニッポン "精子力" クライシス」が放映されました。
当店にご相談いただくカップルの方々も皆さんご覧になられていました。
テーマは、タイトルの通り、日本人男性の「精子力」の低下について。
ヨーロッパではこの20年ほどで精子の数が少なくなっているという研究報告が、たびたび、なされていますが、
昨年、この50年間でヨーロッパの男性の精子数は32%も減っているというショッキングな研究報告がありました。
また日本人については、欧州4か国と比べても最低レベルにあるとの報告がなされていて、実に6人に1人が、WHOの基準値に満たないという報告もあるのです。
また、数だけでなく、質の低下、すなわち、精子DNAの損傷が妊娠させる力を低下させることもわかっています。まさに、「危機的」な状況と言えるかもしれません。
男性不妊で最も多いのは「精子がうまくつくられていないことによる」ものです。そして、その原因として最も多いのは「原因不明」です。
要するに、特別な原因が見当たらないにもかかわらず、精子濃度や運動率が低いために、パートナーが妊娠しづらくなってしまうというケースです。
そんなケースでは、男性が抗酸化サプリメントを服用すると、妊娠率や出産率が高くなるとの研究報告が発表されました。
それも、医学の世界では信頼性の高いことで世界的に定評のある、コクランレビューと呼ばれる論文 です。
どんなことが分かったのか?
男性不妊では、男性が抗酸化サプリメントを摂取することで、体外受精や顕微授精の妊娠率や出産率が高くなるというものです。
○誰が発表した研究報告なのか?
コクラン共同計画の研究者によるもの。コクラン共同計画とは科学的根拠に基づいた医療のためにコクランレビューと呼ばれる、信頼性の高い医学研究を実施、発表している非営利団体。
○どのような結果が得られたのか?
男性が抗酸化サプリメントを摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて約4倍妊娠率が高かった(15の臨床試験で、トータル964組中、96組が妊娠)としています。
また、男性が抗酸化サプリメントを摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて、約5倍出産率が高かったとのことです(3つの臨床試験で、トータル214組中、20組が出産)。
さらに、抗酸化サプリメントを摂取した男性は、摂取しなかった男性に比べて、精子濃度が統計学的に有意に高かったとのこと。
いずれの試験でも抗酸化サプリメントの摂取による副作用は認められなかったとしています。
○どのように結論づけているのか?
妊娠を望むカップルの男性が抗酸化サプリメントを摂取することで、パートナーの妊娠の確率が高くなる。
『宿命的に活性酸素(酸化ストレス)に弱い精子』
精子は、精巣内で生殖ホルモンの働きかけにより、精子の元の細胞から74日かけて、形成されます。
そして、精子が成熟して精巣を出た後に、酸化ストレスによって、損傷を受けることが分かっています。
そのため、今回の研究チームも男性側に不妊原因があるケースの30~80%は、活性酸素(酸化ストレス)によるものと指摘しています。
妊娠を望む男性が摂るべきは抗酸化サプリメント
コクランレビューは、信頼性の高い方法で実施された臨床試験データを集め、信頼性の高い方法で分析し、結論を導いています。
その結果、さらなる研究が必要としながらも、男性が抗酸化サプリメントを摂取することでパートナーの妊娠の可能性が高まるかもしれないとしています。
このことから、妊娠を望む男性、特に、パートナーが人工授精や体外受精、顕微授精に臨む男性が摂るべきサプリメントは、抗酸化サプリメントであると言えると思います。
精子を活性酸素(酸化ストレス)から守る生活習慣も大切
活性酸素は、喫煙や大量の飲酒、偏った食生活、強いストレス、睡眠不足などで増大することが知られています。
活性酸素量が身体に備わっている抗酸化能力を上回った時、精子はダメージを受けます。
ですから、抗酸化サプリメントを摂取するだけでなく、生活習慣を改善することも大切です。
男性が健康的な生活を心がけ、抗酸化サプリメントを摂取することで、精子の質を高めることは、結果として、女性への治療の負担を軽くすることになります。
[文献]
コクランレビュー「Antioxidants for male subfertility」
抗酸化サプリメントは世に種々あります。
どのメーカー、成分を選んだほうが良いのか
自分たちに合っているのかなど、お気軽にご相談下さい。
今日はこんなところで。 良い休暇をお過ごしください♪