前回の続きです。
読んでない方は↑読んでね♡




夜ごはんを食べ終えて、
 洗い物をしていたら、
彼がふと近づいてきて、 
「なんか、せいか
ちょっと元気ない?」って
声をかけてきた。




 私は手を止めて、
ちょっとだけ
考えてから言った。 
 「うん…たぶん、自分でも
よくわかってなかったけど、
 さっきの買い物で 
変な気持ちに
なったんだと思う」 





 彼は少し黙ってから
「…やっぱり気づいてたか
 ごめん、
せいかに気まずい
思いさせたよね」 って
彼が謝った。





 私はすぐに首をふった。
わかってる。
もう過去のことだって。
彼はなにも悪くない。





 彼は私の手を握ってきて、
まっすぐな目で言った。 
 「もう過去のこと。
俺も全部忘れたいし
それにせいか以外の誰かを
想うことなんてない。
俺がずっと一緒にいたいのは
せいかだけだから安心して」




 その言葉がうれしかった。 

心の中にあった
ひっかかりが、
なくなっていくのが
わかった。





「…ありがとう」って
私が笑うと、
「せいかってさ、
素直で、がんばり屋で、
でもちょっと心配性で。 
そういうとこ全部含めて、
ほんとに好きなんだよね」 
そう言って、
照れたように笑う彼。





ソファで彼の隣に座って、 
彼の隣にぴたっと
くっついたまま、
 しばらくふたりとも
黙ってた。 
でも、その沈黙がなんだか
心地よかった。





  「ねえ」って私が
小さく声をかけたら、
 彼が「ん?」ってこっちを見た。
 目が合って
 そのままキスした。
 まるで「大丈夫だよ」って
言われてるみたいな
やさしいキス。




 
「好きだよ、なおやさん」って
言ったら、 
「俺もめちゃくちゃ好きだよ」って
すぐ返してくれた。 
 なんかもう、
これ以上なにもいらない
って思った。 





また同じことがあっても
悩むのは
やめようって決めた。

 ちゃんと話せて、よかった。