内村鑑三の言葉 3 「手段と目的」 |   荒野に呼ばわる声

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      耳を澄ませば聞こえてくる
                 
                   南山 遥

 内村鑑三の言葉 3 「手段と目的」

 

 「患難のための(神の)恩恵にあらず、

 恩恵のための患難なり。

 患難は手段にして恩恵は目的なり。

 患難をもって始り恩恵をもって終るなり。

 一つの患難は百の恩恵を招き、

 短きこの患難の世は永遠無窮の恩恵の世に終る。

 ゆえにわれらは恩恵について思うこと常にして

 患難について考うること稀ならざるべからず、

 そは神の造化においては

  患難はその最小部分にすぎざればなり。」

       岩波文庫 『内村鑑三所感集』より

 

 実に私たちの周りにはいかに患難の多いことか!

 わが内にも、また愛する友人たちの内にも、

 そして愛するこの日本と世界にも。

 涙で目の腫れあがる日が多い。

 しかし、その涙をぬぐい静かに語り掛ける声がある。

 代々の聖書の中の預言者が聴いた声、

 また日本の預言者・内村鑑三が聴いた声、

 今も力と慰めをもって語り掛け、立たしめる。

                      南山 遥