どうして人殺しばかりになったのか! |   荒野に呼ばわる声

  荒野に呼ばわる声

      耳を澄ませば聞こえてくる
                 
                   南山 遥

 どうして人殺しばかりになったのか!

 

 「かつて忠信であった町、

 どうして遊女となったのか。

 昔は公平で満ち、

 正義がそのうちに宿っていたのに、

 今は人を殺す者ばかりになってしまった。

 あなたの銀はかすとなり、

 あなたのぶどう酒は水をまじえ、

 あなたの司たちはそむいて、

 盗人の仲間となり、

 みな、まいないを好み、贈り物を追い求め、

 みなしごを正しく守らず、

 寡婦の訴えは彼らに届かない」

                 旧約聖書・イザヤ書1章

 

 これは紀元前700年頃に、預言者イザヤを通して語られた神の言葉である。しかし、決して分厚い聖書の中に文字として書き留められた言葉ではない。今もこの時代に、この世界に響いて、活きている声である。

 

 見よ、聖書は昔物語ではない。

 今もこのような町を、国を見るではないか!

 そして、世界の歴史が証明するように、このような町、

このような国は撃たれるのである。その司たちは自滅する。

 神が最も愛し、護ることを最優先するのは、強者ではない。

寡婦であり、孤児である。そしてそのような人々を生み出す者を激しく排除するであろう。    南山 遥