またも同じ繰り返しの国なのか?
心配していたことが起きた。
起こらないようにと祈っていたことが起きた。
大国ロシアが隣りの小国に侵略を始めたのだ。
国際法なるものを無視し、日本人が大好きな国連憲章を踏みにじってである。19世紀、20世紀の話ではない。「文明が進化した」と言われるこの21世紀、私たちが生きている世紀に、である。
テレビの解説者が、今回の侵略を対岸の火事のように、ニヤケて解説していたが、その感覚がわからない。東大を出ながら、自国の歴史を知らないのだろうか。
日本が先の大戦で白旗を上げて、天皇の一言で武装解除した数日後、千島列島なるわが国の領土に侵攻してきた国。そして今も日本の領土を占領して、わが物顔に居座っている。
かつて哲学者のニーチェが、こういうことを言っている。
「民族の感覚や道徳的性格などを、最近の三世紀、五世紀とかの事件から説明するのは愚かなことである。こういうものは、すでに数千年前の有史以前に出来上がっている」と。
すなわち、民族の実存は変わらないという絶望の言葉と受け取ってよい。
しかし、希望がないわけではない! その絶望的な実存さえ変える力、転換する生命があることを、新約聖書の中で福音書は訴えているからだ。ロシア国はキリスト教国でありながら、聖書読みの聖書知らずなのだろうか。キリストの言葉に耳を傾けないのであろうか。もしないならば、そこに真の絶望がある。 南山 遥