今までは、シリカ(ケイ素)の役割について

お話させていただきました。

 

今回は、「世の中を支えるケイ素」をテーマに

お話できればと思っています。

 

今まで、「食」がメインテーマとなっておりましたが、

今回は違います。

 

実はシリカは「食」だけでなく、私たちの生活を支える

重大な役割をたくさん果たしてくれています

 

例えば「半導体」です。

 

パソコンやテレビ、スマートフォンやデジタルカメラ、さらにICカードなど

身近な電気製品に幅広く使われている半導体ですが、その半導体を

つくるのに最も多く使用されている素材が実はケイ素(元素記号=Si)なのです。

そして、ケイ素に不純物を加えることで半導体ができると言われています。

 

少し化学的話で難しいかもしれませんが、

一番外側にあり電子殻を回っている電子のことを価電子といいますが、

要するに他の原子との「反応に使われる電子」のことです。

半導体の材料に使われるシリコン(Si)の原子番号は「14」ですから、電子数も「14」個になります。

シリコン(Si)の価電子数は4個なので4価の原子です。

 

4価のシリコン(Si)原子に、
P:リン
As:ヒ素
Sb:アンチモン 

など5価の元素の不純物をごくわずか加えて半導体を作ると、共有結合する時に

価電子が一つ余ります。

N形半導体の中では、結晶の共有結合に使われなかった価電子が自由電子となり、

この電子の移動により電流が流れます。

 

5価の元素は、電子を供給するので「ドナー」と呼ばれ、負(negative)の電荷である電子が

電気を伝える役目(キャリア)をするので、N形半導体といいます。

 

4価のシリコン(Si)原子に、
B:ホウ素
Ga:ガリウム
In:インジウム など3価の元素の不純物をごくわずか加えて半導体を作ると、

共有結合する時に価電子が一つ不足し正孔が発生します。

P形半導体の中では、結晶の共有結合する時に発生した正孔により電流が流れます。

この正孔が電気の運搬人(キャリア)になり電流が流れます。

3価の元素は、電子を受け取るので「アクセプタ」と呼ばれ、正(positive)の電荷である正孔が

電気を伝える役目(キャリア)をするので、P形半導体といいます。

 

ズラズラと書いてしまいましたが、要するに僕が言いたいのは

「食品だけではなく、私たちの生活にシリカ(ケイ素)は欠かせない」

ということをわかっていただければ大丈夫です。

 

みなさんが、肌身離さず持っているスマホが実はシリカによってできているなんて

知っていましたでしょうか?

 

今後も、実は皆さんを支えているシリカをテーマにお話ししていこうと考えておりますので

お楽しみに。