魔障ヶ岳/夢の木の下で/失楽園 | 隅田川散策日記

魔障ヶ岳/夢の木の下で/失楽園

諸星作品の乱読み。

魔障ヶ岳-妖怪ハンター-
モノ、三輪山伝説、山伏、新興宗教などを扱っている。構成も凝っている。
天狗の秘所というが天狗は出てきません。三輪山の解釈に注目。
最初と最後に登場する女性は何者?そしてハイキング女の子二人組も活躍してよい。
名前=岡野 玲子の「陰陽師」を思わせますね。

夢の木の下で
Ⅰ遠い国からシリーズ
Ⅱ壁男/鰯の埋葬

Ⅰ、Ⅱ両方に共通するキーワードは壁。
Ⅱが小学生の怪談じみた話であるのに対し、Ⅰは支離滅裂な街を旅する物語。
でも稗田礼二郎のような強烈なキャラクター(モロかもしれません)が登場する訳ではないのでやや印象が薄い。
モボクのお話は旧約聖書のイスラエルの世界のようだ。
カオカオ様(海竜祭のあんとく様と同様「様」付き)
ムーラはどこへいったのだろう?
鰯の埋葬。古田さん、いい人だ。

失楽園
ダンとララの大冒険!ではない・・・絶望と失望の物語。
キリストめいた人は殺されるし荷車じいさんは荒れ地に住むし。リーチャは機械にはさまれるし。
ダンの最後の絶望の嘆き、これは、孔子暗黒伝のラストに描かれる「絶望した孔子」とダブる。

アダムの肋骨
諸星大二郎しか描けない、諸星大二郎らしい女性観。

貞操号の遭難
女性達が主役?のお話。植物人間はなにをしたのか。

生物都市
未来を描く。個人的にはあまり好きではない・・

詔命
諸星作品に慣れすぎると途中でストーリーがわかってしまうのが残念。
鰯の埋葬の古田さんのほうが好きかも。

マンハッタンの黒船
幕末アメリカパロディ。パロディというしかない。逆転の発想。