『砂漠で溺れるわけにはいかない』 | 本だけ読んで暮らせたら
2006年08月21日(月)

『砂漠で溺れるわけにはいかない』

テーマ:ミステリーとか
砂漠で溺れるわけにはいかない

ドン ウィンズロウ/著、  東江 一紀/訳、 創元推理文庫



かつてニューヨークのストリート・キッドだったニール・ケアリーが探偵として活躍するシリーズの第5弾にして最終作。


カレンとの結婚式を2ヵ月後に控えたニールのもとにグレアムからの電話。

86歳になる元コメディアンの爺さんがラスベガスに行ったきり自宅に戻ってこない。この爺さんを連れ戻すようにとのグレアムからの命令を受け、ラスベガスに飛んだニールが、四苦八苦しながら爺さんを連れ戻そうとする話。


この爺さんがクセモノ。あらゆる言い訳を使って、ニールから逃げ続ける。自宅には帰りたくないようだ・・・。

やっとのことで爺さんを説得したニールは、車で連れて帰ることにした。二人っきりの車中で、爺さんは昔のコメディやら自慢話を四六時中続ける。ニールはこの爺さんの話にウンザリだ。

というのも、ニールにはカレンとの間にあるわだかまりを抱えたままこの捜索に関わったのであった。

この爺さんの捜索中に常にニールの心に引っ掛かっているのが、カレンが子供をほしがっていること。ニールはまさか自分が父親になろうなどとは考えてもいなかったし、自分が父親になれるなどとも思っていない。グレアムからの電話を取る前には、カレンとそのことで喧嘩をしていたのである。



ストーリーは90ページを越えたあたりから本来の(?)探偵小説としての展開に入る。砂漠の中のガ゙ソリンスタンドでニールがトイレに立った隙に車ごと爺さんに逃げられた・・・。

砂漠での捜索・・・そこに待ち受けているのは・・・・



第1作の 『ストリート・キッズ』 で魅せたあの青春ハードボイルドの作風は既に前作 『ウォータースライドをのぼれ』 で崩れ去り、コメディー小説となってしまったが、今作も前作同様のコメディーに終始した。それはそれでいいのだが、繊細な感覚とユーモアの感性を併せ持つニール・ケアリーというキャラクターがシリアスな出来事にぶつかっていく、そういうストーリーが好きだった私には少々違和感がある。ニールのキャラクターがあまりこのテのコメディーにフィットしていないと思うのは私だけなのだろうか?

(あるいは逆にフィットし過ぎているのか??)


この作品だけ、あるいは前作と今作の2作品だけを読む分には、こういうキャラクターとストーリーだな、と納得できるかもしれないし、かなりオモシロい。ニールの恋人カレンがいい味出しているし。。。。前作に登場したポリーといい、今作に登場した爺さんといいナカナカのキャラだし。。。。



しかし、第1作を読み、新種のハードボイルドに出会ったときの衝撃を覚えている私にとって、第4作以降の作品は別物だ。




そこで、このシリーズ、 ↓ こう考えることにすると、ストレス無く折り合いをつけられるかも!?


 ■第1作~第3作 : 第1期 ニール・ケアリー・シリーズ

 (基本的にはシリアスなストーリー。そのシリアスな事件・局面で見せるニールのヘラズ口がなんともカッコイイ)


 ■第4作~第5作 : 第2期 カレン&ニール・シリーズ

 (コメディー。多様なサブ・キャラクターによるドタバタ劇が楽しめる)

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