『影との戦い』 ゲド戦記Ⅰ
アーシュラ・K. ル・グウィン/著、 清水 真砂子/訳、 岩波書店
会社の同僚に借りた『ゲド戦記』シリーズ。 まずは第1巻から。
舞台はアースシーという地球とよく似た架空の世界。
その世界の東の果ての島で生まれ、魔法を操る才能に恵まれた少年が、より高次の魔法使いへと成るべく、アースシーの中心に位置する魔法学校に入り、数々の困難に遭遇し、また、師や友との出会いを通して成長してゆく物語。
『ナルニア国物語』や『指輪物語』に比べて、焦点が一人の人物=ゲドにあたっているので物語に入りやすい。私の好み。
魔法を掛けるには、対象とするものの本来の名前が明らかになっていなければならない。したがって、名前の判らぬもの、名前を明かさぬものへ魔法を掛ける事はできない。掛けたとしても効力を発揮しない。
魔法使いは決してむやみに他人に自分の本来の名前を明かさない。名前を明かすということは、余程その人物を信頼した証となる。
ゲドは、名前の無いものと戦うこととなる。 名前の無いものとは? 書名から明らかだろうけど・・・。
その戦いに挑むゲドの心の葛藤が読みどころ。
主人公がストイックに自己と戦う物語とは・・・、
捉え方によってはハードボイルドだ。 (ホントかよ!)