2011年07月31日(日)

『生物学的文明論』

テーマ:自然科学とか
『生物学的文明論』   本川 達雄/著、 新潮新書(2011)

この著者の20年前の大傑作 『ゾウの時間ネズミの時間』 に比べると説教じみた文調が所々あるのが気に入らない。が、それも著者の加齢によるもの、年長者としての義務感の発露なのだと思えば目をつぶれる。

私のようなヒネタ性根の者でないかぎり、著者の説明を素直に聞き受ければ良い。内容にはそれだけの価値がある。

特に若い人が読むといいのではなかろうか。中高生の夏休みの宿題・課題として、この本から何が読み取れるのかをレポートにしてみてもイイ。本書に書かれている生物のボディー・サイズと寿命(時間)とエネルギー量の関係を数式化、グラフ化して見せるだけでも立派なレポートになろう。


中年以上の読者には、世の中を眺める際に別の指標があることを読み取れるかもしれない。


↓↓ 構成はこんな感じ ↓↓


はじめに

第一章 サンゴ礁とリサイクル

第二章 サンゴ礁と共生

第三章 生物多様性と生態系

第四章 生物と水の関係

第五章 生物の形と意味

第六章 生物のデザインと技術

第七章 生物のサイズとエネルギー

第八章 生物の時間と絶対時間

第九章 「時間環境」という環境問題

第十章 ヒトの寿命と人間の寿命

第十一章 ナマコの教訓

おわりに





↓ ポピュラー・サイエンスの傑作本の一つ

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)/本川 達雄



AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011年07月30日(土)

『星を継ぐもの 01』

テーマ:マンガとか
『星を継ぐもの 1』   星野 之宣/著、  J・P・ホーガン/原作、  ビッグ コミックス〔スペシャル〕(2011)

月面で発見された死後5万年を経過した人間の死体・・・。 旧石器時代に既に月に到達していた人類が??


こんな幕開けをするJ・P・ホーガンの超傑作SF、オールタイムNo.1小説 『星を継ぐもの』 が星野之宣によってマンガ化された。その第1巻。

もう絶対読まなきゃだめでしょ! ってことで読んだ。

星野の画力・画風にピッタリの題材!


『星を継ぐもの』シリーズは全部で4作から構成されている。

星野は、恐らくはこれら4作全てを題材として描いてくれるのだろう。 今後の楽しみが増えたニコニコ





星を継ぐもの (創元SF文庫)/ジェイムズ・P・ホーガン

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011年07月25日(月)

ポケミス新世代作家

テーマ:メモランダム

既存の売れ筋作家の作品ではない、売れるかどうかは判らない作家の作品を5カ月連続で出版した早川書房。


「ポケミス新世代作家シリーズ」 その作品が初めて翻訳された作家ばかり。


二流小説家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)/デイヴィッド・ゴードン
  この作品の記事はコチラ

黄昏に眠る秋 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)/ヨハン テオリン
  この作品の記事はコチラ

逃亡のガルヴェストン (ハヤカワ・ミステリ)/ニック・ピゾラット
  この作品の記事はコチラ

特捜部Q ―檻の中の女― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1848)/ユッシ・エーズラ・オールスン
  この作品の記事はコチラ

記者魂 ((ハヤカワ・ミステリ1849))/ブルース・ダシルヴァ
  この作品の記事はコチラ


どの作品も平均水準を越えていた(と思う)。


このシリーズを出し続けた早川書房に拍手。


AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011年07月24日(日)

『記者魂』

テーマ:ミステリーとか
ROGUE ISLAND (2010)
『記者魂』  ブルース・ダシルヴァ/著、 青木千鶴/訳、 ハヤカワ・ミステリ1849(2011)


かつて、新聞記者を主人公としたハードボイルドの傑作に、ジョン・ウェルズという事件記者を主人公に据えたシリーズがあった。作者はキース・ピータースン。翻訳ミステリー業界には、そのシリーズの熱烈な信者がいて、私もそうした人たちの評価を切っ掛けに夢中になっていた・・・。

本作を読んでいる最中、そんなことを思い出していた。

で、この『記者魂』、そのジョン・ウェルズ・シリーズに匹敵する。



舞台はアメリカ東海岸のロードアイランド州プロヴィデンス市。現在、市内マウント・ホープ地区には放火事件が頻発している。
主人公は新聞記者リアム・マリガン。中年男。離婚訴訟中の妻あり。スクープを連発するヤリ手の美人記者と付き合っている。 過去には警察の不正を採り上げ、今回の連続放火事件でも警察の無能ぶりを記事にするマリガンは警察から目の敵にされている。仕事に関しては有能で頑固で信念を曲げないことから、新聞社の上司からは煙たがられている・・・。 ハードボイルドの主人公に相応しい人物設定。


連続放火事件を追う中で警察や新聞社上層部とひと悶着を起こし、事件の真相に迫りだしてからは敵方の罠に嵌まって絶体絶命の状況に追い込まれる。悔恨とニヒリズムに苛まれながら、それでもストイックに事件を追う主人公。そして、閃きと推理によって謎の全貌が明らかになり、起死回生の反撃を計画する。その計画は見事に達成され、後にはカタルシスとノスタルジーが漂う・・・。

と、まァ、プロットもハードボイルド小説として典型。


この小説、読み終わった今となっては、何から何までハードボイルドの定型だったと客観的に思える。

けどネ、それでも傑作と言っちゃう!

なぜなら、読んでいる最中は、私の中に存在する客観視する姿勢をブッ飛ばしてくれるから。この小説のプロットの細部にはオリジナリティがあり、主人公のマリガンは良い悪いを超越したコダワリがあり、ストイックであり続けるから。そんな人物を描く小説には不変の面白さがある。つまりは、私の偏った好みを満足させてくれる要素がテンコ盛りだから。。。


昔ながらのハードボイルド・フリークにはお薦めです。





そうそう、あと少し書いておこう。。。


アメリカのミステリーには、登場人物達がメジャーリーグの試合を観に行ったり、贔屓のチームや選手について一喜一憂する場面が描かれることが多い。作中のここぞという場面に、贔屓とするチームや選手の好不調をネタにして、洒落たセリフを主人公に言わせたりもする。ミステリーもスポーツも好きな読者としては、そんな場面を読むとニヤついてしまう。


野茂が活躍し、日本人選手の多くがメジャーリーグのチームに在籍することになってから、いつかアメリカのミステリー作品に日本人選手が登場する場面が描かれるだろうと思っていたのだが、なかなかそういった場面に遭遇することはなかった。

だが、ついに出くわした。本作では主人公が生粋のレッドソックス・ファンであることから、コトあるごとにベースボールに触れる場面がある。そして、ホンの1箇所、日本人メジャーリーガーが登場する。

ただ、それだけのことだが何だか嬉しかったものだから。。。


いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
2011年07月16日(土)

『女子中学生の小さな大発見』

テーマ:自然科学とか
『女子中学生の小さな大発見』   清 邦彦/著、 新潮文庫(2002)

2011年夏の「新潮文庫の100冊」にも選ばれている本書。


動植物や自然の何気ない観察、ふとした思い付きによる小さな実験、少々的外れな考察、などなど、女子中学生によるプチ自由研究のレポート集。 レポートといっても、せいぜいが3、4行の箇条書きにしたものを寄せ集めただけだ。


例えば・・・、 「○○さんは万歩計をつけて寝てみました。朝までに12歩、歩いていました。」 など、およそ理科の実験とはいえない様なものまでが載せられている(だが、私は ↑ このレポートは好きだ)。

このテのことが150ページも羅列されている。


とにかく何でも良いから、中学生が等身大で調べたこと、不思議に思ったこと、試してみたことを並べてみた感じだ。

そんなものが集められ、まとめて読んでみると、どうしてどうしてこれが案外面白いから不思議だ。

いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2011年07月15日(金)

『マルドゥック・フラグメンツ』

テーマ:ファンタジー・SFとか
『マルドゥック・フラグメンツ』   冲方 丁/著、 ハヤカワ文庫(2011)

売れっ子作家になった冲方丁。

才能豊かな作家だなァとは思っていたけど、これほどまでの売れっ子作家になるとは。 『天地明察』もいつかは読まねば。


それにしても 『マルドゥック・スクランブル』 は衝撃的だったよなァ。


『マルドゥック・スクランブル The First Compression-圧縮』

『マルドゥック・スクランブル The Second Combustion-燃焼

『マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust-排気』


『マルドゥック・ヴェロシティ1』

『マルドゥック・ヴェロシティ2』

『マルドゥック・ヴェロシティ3』



で、本書だが・・・、

「スクランブル」シリーズと「ヴェロシティ」シリーズを補完する物語が4篇と、第3シリーズへと繋がる話が2編収録されている。

2つのシリーズを読んでいない人には、まったくもって訳の分からない話のオンパレード。

前2シリーズを読んできた人には「あァ、そうか!」ってナ話。新シリーズは期待しちゃう!

いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2011年07月12日(火)

『特捜部Q 檻の中の女』

テーマ:ミステリーとか
『特捜部Q ―檻の中の女―』   ユッシ・エーズラ・オールスン/著、 吉田奈保子/訳、 HPM(2011)


アメリカでもなく、イギリスでもない。最近躍進目覚しいスウェーデンでもない。デンマーク産ミステリー。

イヤー、面白い!面白かった!


部下二人とともに捜査現場に突入したところを撃たれた警部補カール・マーク。

部下の一人を亡くし、もう一人は半身不随で今も病院のベッドに寝たままの状態。自分一人復職したが、トラウマを抱え、任務遂行の情熱などもはや無かった。

その上、組織改革の一環という名目の元、新たに配属されたのは未解決事件を扱う「Q」と称される新設の部署だった。一応、「Q」の統轄責任者という肩書きではあるが、「Q」の部屋は地下室に追いやられ、カールの他にはアシスタントが一人宛がわれただけだった。

エル・アサド。カールのアシスタント。シリアから亡命してきたと思しき謎の多い男。


カールが然したる熱意を持つこともなく取り組みだした再調査案件は女性議員の失踪事件だった。

カールは膨大な捜査資料をアサドに調べさせる。すると、異常なまでの集中力と熱意を発揮するアサド。資料には幾つもの矛盾点が見つかる・・・。奇行を伴いつつも恐ろしいまでの記憶力を有するアサドにも助けられ、カールは元来の優秀な捜査官としての能力を呼び覚ます。

自殺したとも云われる女性議員の周辺を調べ出したカールとアサドの前には、当初捜査で見逃していた様々な事実が明らかとなって行く。彼女は精神に障害を負った弟とたった二人で暮らしていたのだった。その弟を残して失踪するはずがない・・・。


カールとアサドの再捜査の成り行きと平行して語られるのは、カールが抱える前事件のトラウマ。カールの奇妙な家族達。そして、5年前から監禁され続けている一人の女性の様子。

途中、この女性が誰であるのかが読者には開示される。この監禁された女性を描くパートは、他のパートと一線を画し、サイコ・ホラー的要素を含ませている。


ほぼ予想通りにストーリーは終盤に向けて進んで行く。だが、そこに至る些細なエピソードや登場人物たちの心の動きの描写方法は巧みだ。だから物語に釘付けにさせられる。

お薦めです。


シリーズ化されているらしい「特捜部Q」シリーズ。ヨーロッパではかなりの人気らしい。早川書房には引き続き続編の翻訳もお願いしたい。


さて、今年の目玉といってもイイだろう。このハヤカワ・ポケット・ミステリの新世代作家シリーズ。

この新世代作家シリーズもいよいよ最後はアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作だ。 楽しみ!


いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)
2011年07月05日(火)

『ロウソクの科学』

テーマ:自然科学とか
A COURSE OF SIX LECTURES ON THE CHEMICAL HISTORY OF A CANDLE (1861)
『ロウソクの科学』   ファラデー/著、 竹内敬人/訳、 岩波文庫(1861)


ポピュラーサイエンスの古典。 ファラデーが青少年を対象に行なった全6回のクリスマス講演録集。


ロウソクの燃焼を題材に採って、これだけ科学的な話を膨らませることができるとは。

ファラデーの話は、燃焼と呼吸との類似性、環境論にまで及ぶ。


中学校理科の副読本にイインじゃない!?

いいね!した人  |  コメント(4)  |  リブログ(0)
2011年07月04日(月)

『GOSICK Ⅷ (上)』

テーマ:ミステリーとか
『GOSICK VIII 上‐ゴシック・神々の黄昏‐』   桜庭 一樹/著、 角川文庫(2011)


GOSICKシリーズ最終刊・・・かと思ってたら違ってた。上巻だって・・・。


プロローグは九城一弥が弾丸飛び交う戦場にいる場面から始まる・・・。 物語の終わりが近付いたことを読者に予告している・・・!?

物語本編の序盤。クリスマス、大晦日を過ごした主人公たちに訪れた突然の離別。

ヨーロッパが、世界が、第二の厄催に見舞われようとしている1924年の大晦日。九城一弥は大使館の職員によって本国に強制送還される・・・。

そして、ヴィクトリカもまた、戦争を利用してソヴュール王国を支配せんとする父ブロワ公爵に監禁され、薬物を投与されながら戦況予測のために頭脳の酷使を余儀なくされる・・・。

今回も著者・桜庭一樹のストーリーテラーぶりは流石で、300ページなんてアッと言う間に読めてしまう。

この上巻はGOSICKシリーズの大エンディング(=Ⅷ下巻)に向けた撒き餌といったところだ。餌に引き寄せられた私(読者)・・・。頼む!下巻で見事に釣り上げてくれっ、桜庭ッ!





毎回書くけど、読むなら、↓ この順番ね!


『GOSICK ―ゴシック―』

『GOSICK II ―ゴシック・その罪は名もなき―』

『GOSICKs-ゴシックエス・春来たる死神ー』

『GOSICK III ―ゴシック・青い薔薇の下で―』

『GOSICK IV-ゴシック・愚者を代弁せよ-』

『GOSICKs II―ゴシックエス・夏から遠ざかる列車―』

『GOSICK V-ゴシック・ベルゼブブの頭蓋-』

『GOSICK VI ―ゴシック・仮面舞踏会の夜―』

『GOSICKs III―ゴシックエス・秋の花の思い出―』

『GOSICK VII-ゴシック・薔薇色の人生-

『GOSICKs IV-ゴシックエス・冬のサクリファイス-』

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。