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2007年07月30日(月)

『泥棒は深夜に徘徊する』

テーマ:ミステリーとか
THE BURGLAR ON THE PROWL (2004)



ローレンス・ブロック が描く、泥棒バーニー・ローデンヴァーを主人公としたシリーズものの第10弾。

一番最初の作品はかれこれ30年も前に出版されたとのこと。30年で10作。


この作家が描く別のシリーズ作品の主人公マット・スカダーは着実に歳を取ってきているが、このシリーズ作品の主人公バーニーは歳をとらない。


物語の内容はたいして深くない。・・・というより浅い。軽い。もう、ふわふわ。そこがイイんだけど・・・。


主なレギュラー出演者は3人。

主人公のバーニーは、鍵を破る才能に関して自他共に認める凄腕であり、生まれついての泥棒であることを自覚している。なぜ自分が泥棒をするのか? 彼自身は、決して真っ当ではないと思っていながら、止められない。言い訳をしない。

バーニーの泥棒としての才能を認めるのが、ニューヨーク市警刑事のレイ・カーシュマン。これまでバーニーを利用して、自らの犯罪検挙の手柄を得てきた腐れ縁の刑事である。
バーニーの友人のキャロリンは、バーニーが営む古書店と同じ通りにあるペット美容院の美容師で、レズビアン。このシリーズでの物語展開の多くは、バーニーがキャロリンと行う会話を通して明らかになっていく。

ランチ・タイムや(かたぎの)仕事を終えた後のバーで一杯飲みながら繰り広げられるバーニーとキャロリンの会話は軽妙であり、クスッと笑えるフレーズがあちこちに出てくる。そこがこのシリーズの売りでもある。

まァー、“軽妙な会話が満載!”といえば聞こえはイイが、言い換えれば戯言(たわごと、ざれごと)のオンパレードである。正統なミステリではないが、それはそれ、面白いだけのミステリというのもアリである。


バーニーが忍び込んだ先、目を付けた屋敷で必ず起きる殺人事件。

毎度まいどバーニーが巻き込まれる殺人事件に対し、錠前破りの腕とインテリジェンスと戯言を武器に乗り切る偉大なワンパターン作品。


私が唯一欠かさずに読み続けているコージー・ミステリです。

『泥棒は深夜に徘徊する』  ローレンス・ブロック/著  田口俊樹/訳  ハヤカワ・ミステリ(2007)  
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2007年07月28日(土)

『われらをめぐる海』

テーマ:自然科学とか
THE SEA AROUND US (1951)
われらをめぐる海(早川書房)
『われらをめぐる海』  レイチェル・カースン/著  日下実男/訳   ハヤカワ文庫(1977)

ポピュラーサイエンス本の古典的名著。

この本が記されたのは1951年とのこと。プルーム・テクトニクス論もスノー・ボール仮説もジャイアント・インパクト説も提唱されていなかった時代の本である。したがって、地球誕生の年代・歴史や、生物、ホモ・サピエンス誕生の過程に関わるデータについては、2007年現在の知見とはかなり掛け離れた値となっており、これらの数値を真に受けてはいけない。

それでもなお、この本が読み継がれているのは、地球や海のダイナミズム、人類と海との歴史的関係が見事な物語として綴られているからである。


夏の読書にモッテコイの1冊。

ホモ・サピエンスなら、 『センス・オブ・ワンダー』 と併せて読んでおいた方がイイ本の一つ。

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2007年07月27日(金)

雑記2007.07.27(学会委員会報告書)

テーマ:メモランダム

ある学会での3年間の委員会活動を終えて、本日その総括としてのシンポジウムが開催された。

僅かではあるが、報告書の一部を担当執筆し、それが製本されていろいろな専門家たちの目に触れることとなった。

勤務先では給料を貰って仕事をするわけだが、学会の活動というのはボランティアみたいなもので、損得勘定とは別のところのモチベーションによって動いている。給料がもらえるわけではないが、勤務先の業務を終えるのとはまた別の達成感がある。

一般書籍と違い、極少数の専門家にしか行き渡らない、わずか百部程度の発行でしかない書籍であるが、自分の書いたものが形になるのはなんだか嬉しい。

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2007年07月24日(火)

雑記2007.07.24(妄想)

テーマ:メモランダム
『神は妄想である―宗教との決別』  リチャード・ドーキンス
¥2,625
Amazon.co.jp


(この本、未だ読んでませんが、タイトルだけでも結構なネタになるものですから・・・)



それにしても、このタイトル・・・、ドーキンスさん、こりゃ実も蓋も無い云い様だよ。。。

私などは神など信じちゃいないし、だからどうでもイイことだけど、世界には信じているヒトがかなりいるみたいだし・・・。そういう人たちを怒らせちゃうんじゃないの。


そもそもこの世のかなりの事は“妄想”もしくは“妄想みたいなもの”かもしれないし・・・。‘民主主義’やら‘国民主権’やら‘年金制度の抜本的改正’みたいなものだって、妄想っちゃー、妄想だし。


妄想だっていいジャン!

それがだれかに迷惑をかけなければ、無害なら、はたまた楽しい妄想なら。


ただ、宗教とか神様関連に関することは、知らず知らずのうちに、迷惑を掛けることがあったり、掛けられることがあるからなァ~。ドーキンスさんも、そういうのがあるから、こんなの書いたのかな??


と、ま~、未だ読んでないんだけど、読む前からいろいろと妄想しちゃう。

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2007年07月24日(火)

雑記2007.07.23(TVデビュー)

テーマ:メモランダム

今週日曜日の夕方、ある報道TV番組に私が映っていたらしい。その時間、私はTVを観ておらず、そのような状況を知らなかった。

月曜日の朝、会社に着いてメールを開けると、社外のヒトから「TVに弩アップで映っていた」との連絡。社内のヒトからも声を掛けられる。


「確かめたい」と思い、ネットで調べたら、翌日月曜日の夜にBSで再放送とのこと。で、それを観た。

明らかに私にピントを合わせた画だった。

マヌケ面が映っていた。

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2007年07月22日(日)

『勝手に生きろ!』

テーマ:ミステリーとか
FACTOTUM (1975)
『勝手に生きろ! 』 チャールズ・ブコウスキー/著   都甲幸治/訳  河出文庫(2007)


著者と思しき主人公チナスキーが、アメリカ中の都市を彷徨いながらハチャメチャに、無目的に生きている様子を描く自伝的な(?)小説。


主人公は、各都市で様々なハンパ仕事をしながら食いつなぎ、金に余裕があれば競馬などに手を出し、余裕がないときでも酒は欠かさず大体が酔っ払っている。なぜか女にモテる。

主人公チナスキーには、生きることに対して大仰な目的を持っている節は見当たらない。僅かな慰み、喜びといえば、短い作品を出版社に送り、それが稀に掲載されたときだけだ(できれば小説家になりたい、と思っているらしい・・・)。


新たな都市にたどり着いては、安宿を見つけ、給料の安い仕事にありつき、いい加減な仕事をし、酔っ払って解雇され、また酒を飲む。その繰り返しを延々と綴っただけの物語である。しかし、社会・集団・規律を嫌い、我が道を自堕落にフラフラしながら彷徨い歩く主人公が羨ましく感じられてしまう。

こういう暮らし、生き方に憧れるアホな男(雄)の感情を揺さぶる物語を描くのが、ブコウスキーのブコウスキーたる所以だ。 お薦めです。


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2007年07月21日(土)

『 灯 台 』

テーマ:ミステリーとか

THE LIGHTHOUSE (2005)

灯台(早川書房)

『灯台』  P.D.ジェイムズ/著  青木久恵/訳  ハヤカワ・ミステリ(2007)

久しぶりにP・D・ジェイムズのダルグリッシュものを読んだ。

イギリスの伝統的本格ミステリー。大御所ジェイムズ女史御歳85才のときの作品。


VIP御用達の孤島の保養地で起こる殺人事件。被害者はイギリス文学界の大御所。容疑者は島のスタッフと滞在客を含めて十数人。

事件を穏便に解決したい行政官僚機構=ニュー・スコットランドヤードが島に送り込んだのは、アダム・ダルグリッシュ警視長、ケイト・ミスキン警部、ベントン・スミス部長刑事の3人。


ダルグリッシュ達が交錯する人間関係を一つひとつ解いて行く過程は相変わらず入り込んで読んでしまう。

3人の捜査官たちの個性が非常に良く書き分けられていて、それが物語の展開にも重要な要素となっている。キャラクターとプロットが必然的に絡み合う作品・・・ん~、さすがイギリス・ミステリー界の女王だ。巧すぎる。

クライマックス・・・、アダム・ダルグリッシュ、ケイト・ミスキン、ベントン・スミス、この3人のそれぞれの感情が表出する場面では、読んでいる方の感情も動かされる。特に、ベントン・スミス部長刑事の活躍の仕方が気に入った。


一時の純文学めいた、あるいは哲学っぽい硬い文章は影を潜めていて、非常に読みやすくなっている。安心して、落ち着いて読める作品。

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2007年07月20日(金)

雑記2007.07.20

テーマ:メモランダム

『すてきな三にんぐみ』  トミー・ アンゲラー/著 

娘のお気に入りの本 『すてきな三にんぐみ』 をついに購入。エクスペンシブ! だが、今まで何度も何度も借りてきていたのが、これで解消。


学校の図書室からは、『シャーロックホームズの冒険』 を借りてきたらしい。私より先にホームズを読むのか?まずい (^_^;)


私は、いつもの如く、本屋によってタダの目録を貰ってくる。

『岩波新書 解説目録2007』 ← 解説目録もこんなに厚いのネ。。。

『アスペクトASPECT 2007-7』 ← これには吉野朔美の漫画 が載っている。


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2007年07月19日(木)

『モンスター・ホテルでクリスマス』

テーマ:児童書・絵本とか
『モンスター・ホテルでクリスマス』  柏葉 幸子/著  小峰書店(1994)

娘が学校の図書室だか(?)から借りてきた本。シリーズものらしい。


人間には見えない、モンスター達が宿泊するホテルを舞台に繰り広げられるクリスマスイブの夜の話。

この話に出てくるモンスターというのが、ドラキュラ、竜(ドラゴン)、悪魔(デビル)、狐、透明人間など。和洋中折衷。もう、なんでもあり。

そんでもって、サンタクロースもモンスターの仲間入り。


馬鹿馬鹿しくって最高。 こういうの、子供って好きだよな。(私もだけど・・・)

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2007年07月17日(火)

『双生児』

テーマ:ミステリーとか

THE SEPARATION (2002)

『双生児』 クリストファー・プリースト/著  古沢嘉通/訳  早川書房(2007)  


評判のクリストファー・プリーストを初めて読んだ。



物語は複数の人物たちの回想や歴史文章からの引用という形で進行する。なかでも主要な語り手は一卵性双生児ジャックとジョーのソウヤー兄弟である。


物語の第1部は1999年が舞台。歴史書の作家グラットンによる自著本の販売促進サイン会の会場の場面からはじまる。グラットンを訪ねてアンジェラ・チッパートンという女性が訪ねてくる。彼女の亡父は、第二次世界大戦中、イギリス空軍爆撃司令部に所属していたソウヤーという名前のパイロットだったという。彼女の父が生前に記したノートが、グラットンの探しているものではないかと言うのだ・・・。

この時、グラットンは第二次世界大戦中のイギリス首相チャーチルの回顧録を思い出していた。チャーチルは戦時中、赤十字で働くソウヤーという名の良心的兵役拒否者と会っている・・・。

空軍パイロットであり、良心的兵役拒否者でもあるJ・L・ソウヤーなる人物とは・・・?


ん~、つかみはOKだ。


この、わずか30ページの第1部に続いて、物語の第2部はソウヤー空軍大尉が書いた手記へと変わる・・・。

ジャック・ソウヤーはオックスフォード大学在籍中、ヨーロッパにナチスが台頭していた頃に開催されたベルリンオリンピックにボート競技の選手として双子の兄弟ジョーと供に参加する。オリンピックで銅メダルを獲得した二人。その祝勝会場でジャックはナチス副総統ルドルフ・ヘスと遭遇し、一方、ジョーはユダヤ人少女のドイツ脱出の手筈を整えている・・・。

オリンピック後、イギリスに帰国したソウヤー兄弟の進む道は分かれて行く。ジョーはユダヤ人少女と結婚し、ジャックは空軍パイロットの道を歩き始める。


第2部終了までで221ページ。非常に読みやすく、ここまでは一気に読み進んだ。


第3部の舞台は再び1999年。歴史作家グラットンがソウヤーに関する調査を行っている場面に移る。

第4部は、グラットンの調査の過程で、その存在が明らかとなったサミュエル・レヴィなる人物の手記へと移る。サム・レヴィは戦時中、ソウヤー空軍大尉の部下であった・・・。


この3章、4章を読んだ私の頭の中は少しモヤモヤしている。ジャック・ソウヤーとサム・レヴィ、それぞれの手記では同じ状況を語っているにも拘らず、言っていることが違う箇所があるのでは??と思う・・・。

私の勘違いなのか・・・? そのまま5章へと突入する。


265ページから最終497ページまでの第5章の語り手は良心的兵役拒否者ジョー・ソウヤーである。

この物語全体を通して最も核心的で錯綜した最終章である。

ジョー・ソウヤーの語る戦時中の出来事は、現実と夢想が錯綜している。ドイツ軍によるロンドン大空襲のさなか、自分の運転する救急車が爆撃を受け、その際に一時的に記憶を失ったジョー・ソウヤーであったが、その後回復し、職務にも復帰する。が、ある時点で自らの体験がデジャ・ヴだと気付く。

このデジャ・ヴを何度か経験しながら、現実のジョーは赤十字職員として、イギリスとドイツとの間で結ばれる決定的な条約の締結場面に向かって行く・・・。



なんだ!この物語は!!

文章はすらすら読めるのに、どうも良く判らない? 読んでいて何かおかしい?、どこか変だ?、同じ出来事のことを云っているのに、以前別の登場人物が回想していた内容と微妙に違っている? 

ジャック・ソウヤーとサム・レヴィ。 あるいはジャックとジョー。同じ場面・状況なのに、それぞれの語り手(回想者)によって話の内容が微妙に違う・・・。

さらに、作中の歴史は、我々読者が知る歴史事実とは異なっている???

米中戦争?? チャーチルの影武者?? ナチス副総統ヘスの暗躍?? なんだ、そりゃ!?


たぶん私はこの物語の展開をキチンと理解できていない?・・・。そういう感覚に捉われたまま読み続けることになった。

どこかで、おそらくはクライマックスで、この物語中の登場人物の誰かが、たぶん歴史作家のグラットンが、全てを明らかにしてくれる・・・・・はず。そう思っていたが、結局最期まで、何がどうなっているのかがはっきりしないままラストを迎えた。読み終わった直後、私の脳内はホワイトアウト状態にあった。


原題(separation)どおり、作中の登場人物たちの語る話はセパレートする。それも幾筋にも。。。

しかも、作中の人物達が語る話は分岐する過程で少しずつ内容が変質して行くのである。そして、その少しずつの変質が累積した結果、物語の結末は幾通りにも解釈できてしまう・・・。また、物語中の歴史は我々読者が知るリアル世界の歴史とは大きく異なってくる・・・。

メタ・ストーリーなのに、その“メタさ”を把握する登場人物は一人も登場しない。当初、この物語を俯瞰する立場にあると(私が勝手に)思っていた登場人物の一人=歴史作家グラットンでさえも、このメタな物語のほんの一部を担っているに過ぎなかったのである。


この物語全体の展開や状況を把握し理解するのは、ひとえに読者の想像力と創造力に委ねられている。

一筋縄ではいかない・・・、手強いゼ。 そんでもって・・・面白いゼ。



(なお、私は、巻末の大森氏による「解説」を読むまで、この物語の全容を理解することができなかった・・・)

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