私は、これまで何回もブログで「装具」を取り上げてきました。
私にとって、装具は、「使うべきか、使わないべきか」悩み、迷う存在でした。
ネットで調べてみても、賛否両論、、、プロの間でも、意見が別れ、患者や家族は、担当のPTの意見に従うのが普通でしょう。
うちも、回復期病院で、「歩行練習を続けるのであれば、長足装具が必要です」と言われ、作ることにしました。
でも、その時、すでに、なかなか回復しないリハビリに、私は、不満と不安を感じていました。
私は、どうも、装具が夫の麻痺足の回復を遅らせているように思えたのです。
退院してから、病院で教わったリハビリはもちろん、他にもいろいろ試してみたかったリハビリを家で、夫と続けました。
私は、独りよがりな考えかもしれませんが、家での、装具なしのリハビリこそが、夫の麻痺足をここまで回復させた、と思っているのです。
でも、昨年、夫が倒れてから3年目になり、なんとか4点杖で歩いている、その姿を見てみると、「杖に寄りかかるように体が左に傾いている」 「踵が浮き気味になる」 「膝が曲がっている」・・・など、当然かもしれませんが、癖のある歩き方なんです。
装具なしでのリハを続けてきたせいじゃないのか?・・・そんな考えが頭に浮かびました。
特に、麻痺足にしっかり体重をかけられないのは、装具のない麻痺足が不安だからでしょう。
私は、信頼できるPTを見つけて、相談したいと思っていたところ、昨年の秋、幸運にも、とても優秀なPTに出会うことができました。
先日、そのPTに、装具についての考えを聞くと・・・
「私が初めて勤めた病院では、かなり重い麻痺の患者でも、装具はつかいませんでした。私は、装具なしでのリハのほうが回復が早いと思っています。私が、もし初めの頃に、ご主人に会っていたとしたら、装具なしのリハをしたでしょうね。装具で固めた所には、筋肉がつきません。」
先生も、装具については、思いがあるようです。
「装具は、便利なもので、患者さんが出かける時に、使うのならいいと思うんです。でも、なくても大丈夫な人まで、いつまでも使っていて、PTもそれを取ろうとはしない。医療現場で、装具が当たり前のように使われていることに疑問を感じるんです。患者さんは、できれば装具なしのほうが、快適じゃないですか」
あ~、そうなんだ。私と同じ考えを持つPTもいたんだなあ・・・
なんだか、今までのモヤモヤが、すーっとした思いです。
あくまで、一人の、若いPTの考えです。
でも、私の信頼するPTが、たまたま、私と同じ考えだったことが嬉しいやら、ほっとするやら、、、少し、気が楽になりました