3週間前から新しい町での幼稚園生活がスタート。みっちり1時間の事前面談。特に言語について詳しく聞かれる。ロッテルダムの幼稚園では外国人も多くて、だいぶ英語に助けられて幼稚園をサバイブしていた娘。新しい幼稚園の面談で、「オランダ語で分からなかったら、英語なら分かるかもです。でもオランダ語をしっかりやらせたい」というと、「じゃあしっかりやるわね、英語は使わないわよ。」とのこと。外国人の親も数名いるのだけど、親もみんな先生たちとはオランダ語で頑張っている。会話がスムーズに進む英語より、間違いが多くてもオランダ語で話すことが良いという雰囲気。オランダで今まで感じたことがなかった、「英語で話してしまうことがなんだかちょっと恥ずかしい」という気分を味わう。ある意味ありがたい。住む都市や環境によって、ずいぶん違うもんだな。

 

初日は最初から最後まで3時間半付き添い。流れは前の幼稚園とほとんど同じだけど、実際に一日体験するというのは貴重な経験。片付けだねぇ、おやつだー、手洗いだねー、外遊びだからコートきなきゃだねーとか、先生の話を聞いてナナコも私も自然に分かる安心感。始まって3週間だけど、娘が前の幼稚園ではオランダ語が理解することでいっぱいいっぱいだったのが、今の幼稚園ではオランダ語を話そうと気持ちがシフトしているを感じる。子供ってすごいなぁ。

 

外国人を多く受け入れる幼稚園の多くは、Uk&Pukという指導法を採用している。キャラクターのPukくんを使った、3週間ごとのテーマ学習だ。今のテーマは”ハクション(くしゃみ)”。毎日病気をテーマに、ロールプレイや本の音読、工作などが行われる。私が付き添った日は、みんなでPUKくんの熱を測ってあげたり、布団をかけてあげたり。前の幼稚園でもPUKの指導法で、テーマごとに家庭にも単語リストが渡されていたのだけど、新しい幼稚園では単語リストに加えて、イラストやこのテーマをどうやって育児に取り入れるのかの説明の紙も渡されたり、今週は言語療法士さんが幼稚園に来て、親向けに言語発達についてのワークショップを開いてくれたり、言葉に力を入れてくれていてありがたいし、私も学べることが多い。どうやら先生たちは外国人の子供にオランダ語を教える専門の資格を持っているらしい。単語リストについては、「これをオランダ語じゃなくて母国語で家でもやってね、母国語がまず大事だから。でもこの単語の意味はね〜というつまらないやり方じゃダメよ、ここに出てくる単語を使って、母国語でロールプレイしたり遊ぶのよ」と言われる。そして「親がオランダ語に自信がないなら、オランダ語で子供には話しかけないで、変なオランダ語を正す方が大変だから」とはっきり。保健局の方針だそう。

 

先日電車で駅員さんの言っているオランダ語が分からず、立ち尽くしていたら、娘が「ママ、まっすぐ行ってくださいって言ってるよ!」と教えてくれた。まだ3歳だけれど、娘に助けてもらった、と感じた。これからどんどん助けてもらうことが増えてくるのだろう。3歳ながら、自分たちの知らないことをたくさん娘が知っているというのは面白い。そして、母国語である日本語、親がちょっと手助けできる英語、そして親がノータッチのオランダ語、この3つをどう習得していくのかというのは、見ていて飽きない。