デモという活動 | 名無しの唄

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日本のニュースにも、「デモ」という語は時折ながら目にする。

しかしながら、日本では今一つ市民権を得ていない、というより、正しく位置づけられていないように思う。

個人的な意見とは別にして、まず一つ、デモとは合法的正当な政治活動である、ということを示したい。


さて、「デモ」という言葉に代表される集団的政治行動は、日本では自治体ごとに定める条例・公安条例と総称される法律によって規定されている。

集団行動は、性質として暴動につながる危険性を帯びるために、法律で制限と、事前申請の必要が定められているというわけだ。

公安条例(wikipedia)

東京都:集会。集団行進及び集団示威運動に関する条例

手続きは、警察を介して処理され、その結果許可された集団行動が、警察の監視の下に実行される。実際種々のデモに遭遇すると、警察官がデモにおいて先導・交通整理の仕事をしている光景が確認できる。

それは逆に言えば、実施されているデモ活動は、内容の如何に関わらず、正式の手続きを経て正当に催される政治活動である、ということである。(あるいは、手続きを通過している時点で、その内容はすべて政治的主張として認可されている、と言ってもいい。)

つまり、表現の自由の範疇に入るのである。その内容について後日反論を加えたり、あるいは別の許可されたデモで対抗し批判を加えるのは、勿論同じく自由であるが、しかし一方その実施や参加それ自体を否定したり、実行中の活動を妨害することは、正しく不当なのだ


今ここで、デモが登場する最近のニュース記事を見る。

東京の反韓・嫌韓デモ、在特会と対抗メンバーら8人逮捕=韓国 (サーチナ)

嫌韓デモで8人逮捕 対立団体と乱闘騒ぎ 警視庁 (産経新聞)

在特会会長らを逮捕 対立団体と互いに暴行の疑い (朝日新聞デジタル)

デモの参加団体(「在日特権を許さない市民の会」)と、対立団体(朝日新聞デジタルによれば「レイシストをしばき隊」)、その間での暴行応酬、という平板な対立構造がすべての記述に一致する。

また、「在日特権を許さない市民の会」が「デモを行っていた」という記述もまた、すべての記事に共通する。前述のようにデモには公式の手続きがあり、この記述は偽りや誤りの入りようがない部分だろう。故に、上のような記述を見直す必要性が出てくる。


デモの対立団体=「レイシストをしばき隊」がこの日行っていた活動は何に当たるのか。

同団体については、ホームページが二つ確認できる。一つは2013年2月が最後の更新となっている参加者募集ページ で、もう一つは、現在も続いている、活動報告が主の公式ホームページ である。(前者を旧ページ、後者を新ページと呼ぶことにする。)

上記ニュースの日の活動は新ページに確認することができるが、しかしその活動の法的位置づけを確定できる記述は同ページにはない。

そこで旧ページの方を確認すると、「カウンター・デモでも抗議行動でもありません。プラカード等は持ち込まないでください。」という記述が確認できる。集団的政治行動とは一線を画する、自主的あるいは私的なボランティア活動であることを明示している。言い換えれば、集団的政治行動としての手続きには関わることなく活動してきた、ということである。

同団体の活動は、今年2月時点では法的位置づけがない。そして現在に至る活動報告においては、その立ち位置を変更したことは示されておらず、上のニュース記事でもその行動が法の定める集団的政治行動であったことは明記されていない。

「桜井容疑者らがデモのため東京都新宿区の新宿駅東口に着くと、待ち構えていたしばき隊が取り囲み」(朝日新聞デジタル)という行動には、法的正当性を確認できないのだ。

したがってここに、二つの対立団体という平板な在り様ではなく、デモ(合法的政治活動)と妨害(法的根拠なく不当)という関係性が成り立つのではないだろうか。


勿論、デモと妨害という関係があっても、「実際に手を出した、暴力を行使した」のはどちらが先か、というのは、このニュースにおいては別個に検証されなければならない問題だ。

そして上記の通りデモの内容はあくまで政治的“一主張”に過ぎないのであって、それに対する思考や判断は各々持ってしかるべきである。

そもそも自分としては、思考を編み主張を紡ぐにあたって、徒党を組むのは賢明な方法ではない、という意見にこそ賛成だ。

デモの位置づけひとつで、デモ団体の“正義”が確立するということは全くない。


しかしながら、ニュース記事を見るだけでは確認できない関係性が存在し、それを確認しなければ、あらぬ誤解や誤認を生む、ということの、一つの具体的現実的な例が得られたのではないだろうか。

法律ほどに、自主性なくして得られない類の知識は、無いのだ。


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