ケアンズへの道13 | ドリアン長野の読書三昧

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キュランダ村の繁華街に送ってもらい、そこでツアーは解散。お兄さん、ありがとうございました!

キュランダ鉄道が出発する2時までは自由行動だ。他のツアー客は3時半に乗るらしい。
その列車にはゴールドクラスという客車が一両だけあって、座席も豪華、軽食や飲み物がビュッフェになっている。
せっかくならと最初はゴールドクラスを予約していたが、2時発にはなかった。3時半発を取りましょうか、と言われたが断った(実質ケアンズにいられるのは今日だけなので早く戻りたかった)。

先ほどから雨かと思えば晴天になり、と天候が目まぐるしく変わる。

繁華街には原宿かと思うほどレストランやマーケット、土産物店などがひしめき、観光客で賑わっていた。

まずお兄さんに教えてもらったヒッピーが集まってできたという場所に行ってみる。

「ヒッピーって何?」

そうか、Z世代にはわからないか。

窪地にあるので階段で降りていく。なるほど、と思う。
アクセサリー店や占い館、茶店などが狭い路地に櫛比し、独特の雰囲気を醸し出している。
入り口に「bizarre」という看板があったが、それがピッタリだ。カトマンズにこのような地区があったのを思い出す。

空腹だったので海苔巻きの店に入った。若い日本人夫婦がやっていて旦那さんは調理、奥様は販売だ。
どういう経緯でここにお店を持ったのか気になる。

ジンジャービールを買ってみた。ビールといってもノンアルで生姜がジンジャーエールより主張しているのが美味しい。

お兄さんに、「そこに美味しいアイスクリーム屋さんがあります。手であるサインをすると、シングルをダブルにしてくれます。場所はあえて言いません。探してみてください」と言われていたが、列車の発車時間が気になり、早々に街を出た。

少し歩くとこじんまりとした教会があった。娘は関心があるようで、入ってみたいと言う。
ドアは開け放れていて、観光客が長椅子に座って休憩している。ステンドグラスが美しい、この木造教会は100年以上の歴史を持つ英国国教会だそうだ。しばし静寂に浸る。

キュランダ高原鉄道駅はとても趣きのある駅舎だ。観葉植物の鉢植えが空間を埋めるように置いてあり、売店も喫茶室もひなびたヨーロッパの雰囲気がする。ホームには駅舎を挟んで二両の列車が止まっているが単線だ。
列車もホグワース特急を思い出すようなレトロな感じ。
早く着き過ぎたので娘にアイスを買ってベンチに座る。

アイスを食べながら娘が昨日から何度も言っている言葉がまた出た。

「日本に帰りたくない」