解説

2000年にロシアで起きた原子力潜水艦事故を「アナザーラウンド」でアカデミー国際長編映画賞を受賞したトマス・ビンターベア監督のメガホン、マティアス・スーナールツ、レア・セドゥ、コリン・ファースのキャストで映画化。乗艦員118名を乗せ、軍事演習のため出航した原子力潜水艦クルスク艦内で魚雷が突然暴発した。司令官ミハイルは、爆発が起きた区画の封鎖を指示し、部下と安全な艦尾へ退避を始めるが、艦体は北極海の海底まで沈没。生存者わずか23名という大惨事となってしまう。海中の異変を察知した英国の海軍准将デイビッドは、ロシア政府へ救援の意志を伝えるが、沈没事故の原因は他国船との衝突にあると主張するロシア政府は軍事機密であるクルスクには近寄らせようとしなかった。乗組員の生命よりも国家の威信を優先するロシア政府の態度に、ターニャたち乗組員の家族たちは怒りをあらわに抗議する。

2018年製作/117分/G/ルクセンブルク
原題:Kursk
配給:キノシネマ

 

主な登場人物

クルスクの指揮官ミハイル・アヴェリン大尉:マティアス・スーナールツ

ミハイルの妻ターニャ・アヴェリナ:レア・セドゥ

ミハイルの息子ミーシャ・アヴェリン:アルテミ・スピリトノフ

イギリス海軍司令官のデイヴィッド・ラッ セル:コリン・ファース

北方艦隊アンドレイ・グルジンスキー大将:

ロシア海軍総司令官ペトレンコ大将:マックス・フォン・シドー

 

潜水艦ものも好きなのです。

でもね。単に潜水艦が好きなだけで、観ていても構造もやっていることもちっとも解らないのです。そこで、ちょっとメモを取りながら観ました。

 

 

ロシアは毎年北極近くの海で演習をしているのですが、海上部隊の軍艦が57艇、

潜水艦が3隻配備されることになりました。

 

この潜水艦の中のクルスクの乗組員は、ムルマンスクというノルウェーに近い、かなり北の方の地域に住んでいて、給料の支払いが遅れていたために仲間の結婚式の資金もみんなで寄せ集めて行う、結束は固いが決して豊かではない感じ。

手当がつくと言う事で、急遽出かける感じで資金集めで放出した時計(数人分)がなくて大丈夫なの?

 

ミサイル24基、魚雷21本、そしてHP演習用魚雷1本を積んで出航する。

要は、このHPという魚雷を発射して、探知されないうちに基地に戻ればいいと言う事らしい。

だが、このHP魚雷は、安いけれども不安定で危険。

愛称がデブちゃんという意味ありげな名前。

出航してしばらくすると、このデブちゃんの温度がどんどん上がり始めて

組員たちは、早く発射して基地に戻りたい様子だ。

発射まで7分のところで、上がりすぎた魚雷を早く発射してもいいかと指令室に

連絡するが、時間通りに発射するように言われ、そのあと、すぐに爆発してしまう。

 

魚雷発射は、潜水艦の前の方なので、7地区にいたミハイルたちは、その衝撃を感じて他の地区に連絡を取って、安全を期して、潜水艦を地区によって隔離しようとする。

 

計器の魚雷の温度をみるとどれも180度を超えていて、200度では爆発するらしい。測定不可能まで上がるとともに二度目の爆発を起こす。

5地区のアントン(結婚したばかりの仲間)に連絡を取ると、原子炉がやられたとのことで、もう最期を感じて妻のことを頼む。

 

ミハイルは、夫々残された乗務員たちに指令を出して、ハッチを閉めたり、ポンプなどで、流水を止める。

 

そのころ、英国艦隊では、M3.9の地震を感知しており、ノルウェーに地震の確認を取ったり、アメリカにその揺れのあたりの写真を依頼する。

 

ロシアの北方艦隊では、ドロノフという無人救命潜水艦を用意するが、ボロくて、

音が聴けないとかいうまま事故現場に着く。

 

ロシアには、救助用の潜水艦が3隻あったのだが、一隻は、アメリカに観光用に売ってしまったり、もう一隻は、黒海で立ち往生、残りの一隻に頼るしかない。

 

脱出用ポッドを使って潜水艦の後方ハッチから助けようとハッチに向かうが、ハッチに固定出来ない。仕方がないので、そのまま浮上。

 

ハッチを吸着できるように治すとともに、再び救助に向かえるように充電をするのだが、その充電に12時間かかる。

 

乗組員の家族は、どこからか、潜水艦の交信が途絶えたとか、火災が起こったという情報を入手。

ミハイルの妻(レア・セドゥ)は、基地にいる司令部のキャプテン・ティモシレンコに救援隊がまだここにいるのは、どうしてかと問う。

レア・セドゥちゃん。謎めいた美女をやっていた人が、大きなお腹を抱えて、家族たちの先陣を切って、司令部に向かっていきます。初めは、彼女と解りませんでした。

 

ミハイルは、9区に避難しているが、乗員たちが呼吸困難になり、酸素が必要だと感じて、8区のロッカーに隔壁を抜けてサーシャとともに水の中を取りに行く。

 

救助艇が吸着部分を治して救助に向かうが、またもや、接合できない。

このイラストよりボロそうなものがあわあわして、結合できないのです😢

 

英国海軍ラッセルとロシア北方艦隊のアンドレイ・グルジンスキーは、気の知れた友達なので、グルジンスキーが救援電話をかける。

 

ラッセルは、ノルウェーや、英国、フランス、アメリカと協力して、救助に当たりたいと準備を始めるが、

ロシアのペトレンコ大将(見るからに冷徹そう)は、

他国の船と衝突したための事故なので、救援を受け入れたくないというが

そういう事実はなく、軍事秘密を隠したいため、救援は受けたくないというものらしい。

一方の英国海軍のラッセルは、コリン・ファースが演じていて、無条件にいい人そう。

 

ペトレンコ大将は、家族の話し合いでもちゃんと向き合おうとせずムキー、そのニュースをみていたアンドレイがラッセルに救援を頼む。

 

救援に向かうも、ロシアからアンドレイの後任だという司令官が、救援の停止命令をする。

 

英国海軍のラッセルは、ロシアのペトレンコ大将に直接会って、

生存者を助けたいというが、機密を漏らしたくないペトレンコは、

いよいよとなれば頼むから待ってくれという。

 

そういう中で、潜水艦の中では、いよいよ浸水が酷くなってきて、ミハイルは、妻子に手紙を書き残す。

仲間たちのお互いに励ましあうように朝食ビュフェをしようともっている食べ物を持ち寄って盛り上がるのだが、酸素のカートリッジを落とした人がいて、小さな爆発が起こる。そのために多分、酸素が残り少なくなってしまい、覚悟を決めた乗組員たちは、一緒に歌を歌う。

 

結婚式のシーンでも歌われた歌です。

 

ロシア北方艦隊は、3回目の救援艇でハッチに接合しようと

トライします。ところが、もうそのころは、彼らには、生存を示すハッチを叩くことも出来なくなっており、

ペトレンコ大将は、生存者がいないと判断して英国にダイバーの救援を要請します。

 

爆発があっても生き残った乗組員を助けることが出来なくて英国海軍のラッセルは、無念の表情をします。

 

 

この映画には、大統領は出て来ませんが、ペトレンコ大将が私と大統領の意思でというようなことをいいますので、勝手に想像が膨らみます。

そんなに音楽は多くはないのですが、心に残るような歌や音楽です。

 

マティアス・スーナールツ、レア・セドゥ、コリン・ファースの演技が心に沁みます。