最近、風疹が20~30歳代の成人の間で大流行しています。


風疹とは、風疹ウイルスに感染することにより、発疹や発熱、リンパ節腫脹(特に耳の後ろ)などの症状が出現する病気で、リンパ節腫脹以外の症状はだいたい3日前後で消失します。まれに血小板減少性紫斑病や脳炎、心筋炎ななどの合併症を伴うことがありますが、通常は入院するほど重症化することはありません(ただし、感染力が強いので、発症したら発疹が消失するまでは、職場や学校に行くことはできません)。


<なぜ今、風疹の流行が大問題になっているか?>


それは、このウイルスが妊娠している女性に感染した場合、「先天性風疹症候群」を引き起こす可能性があるからです。これは、母体を通じてウイルスが胎児に感染し、胎児に難聴や先天性心疾患、眼疾患などの重い疾患を引き起こす病気で、感染時期が妊娠早期ほど発症頻度が高いと言われています。また、妊婦さん自身が無症状(不顕性感染)であっても発症することがあります。


したがって、現在、妊娠中の女性や、妊娠の可能性がある女性は、何としても風疹感染を予防する必要があります。「風疹に罹った数週間後に妊娠が判明した」という事態だけは避けなければなりません。


また、妊婦さんだけではなく、その近くにいる人々(特に20~30歳代のご主人、ご家族、職場の同僚など)も感染予防が必要です。特にご主人が風疹を発症すると、妊娠中の奥様はずっと「感染の脅威」に曝されることになります。今回の風疹流行が大きな社会問題になっているのは、妊婦さんを取り巻く年齢層(20~30歳代)に風疹患者が多発しているからです。


<では風疹を予防するためには、どうすればよいか?>


「風疹ワクチン」または「麻疹(はしか)風疹混合ワクチンMRワクチンの接種を受けて、ウイルスに対する抗体を獲得すれば確実に感染を防ぐことができます。1回の接種でほぼ98~100%の確率で抗体を獲得することができますので、何はともあれ、まず1回接種をお受けになることをお勧めします(接種後10年以上経過すると徐々に効果が減弱するため、感染を防ぐことができなくなる可能性があります。抗体を保持し続けるためには最低1回は追加接種をしておきたいところです)。


実は、今回、20~30歳代の年齢層を中心に風疹が流行した理由は、「予防接種法」の変遷により、この年齢層の方々が、「定期予防接種(法律で定められたもの)」として風疹ワクチン接種(と麻疹ワクチン接種)を受ける機会が0~1回しかなかったためであり、1回は接種を受けた人達も、接種後10~20年が経過したため、前述のような理由でウイルス侵入を許してしまった、というわけです。なお、数年前に20~30歳代の人々に麻疹が流行したのも同様の理由からです。ちなみに、制度上、風疹と麻疹のワクチン接種回数が2回になったのは1990年以降生まれの人達からです。


<MRワクチン接種を受けましょう!>

現在、風疹ワクチンは全国的に入手困難な状況にあるため、「麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)」を用いたワクチン接種を行っております。再度申し上げますが、風疹に罹りやすい年齢層の人達は、同時に麻疹にも罹りやすいわけですから、「MRワクチン」の接種を受けたほうが理に叶っているかと思います。

また、過去に風疹や麻疹に罹った、もしくは罹ったかもしれない(←不確実な記憶で接種をしない人が一番危ない)、という人でもMRワクチン接種を受けることに何ら問題はありませんし、副作用の頻度が高くなることもありませんので、安心して接種をお受け下さい。


なお、川崎市では、平成25年4/22~9/30の期間、任意の風疹予防接種に対して、一定の条件を満たす方々を対象に、ワクチン費用を助成することになりました。詳細は川崎七福診療所ホームページに記載しておりますので、ぜひご参照下さい。


平成25年4/16

川崎七福診療所

院長 大黒 学























23歳以上の方(平成2年4/1以前に生まれた方)は、

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