2:「発達障害について」 | 明石市、加古川市の放課後等デイサービス、児童発達、障害者施設、兵庫明石高等学院の波の家福祉会理事長ブログ

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兵庫県 明石市・加古郡播磨町にあります、大久保駅前保育所・波の家・アスペ 波の家こどもセンター 理事長 のブログです

職業柄、子供から大人まで


発達障害について相談される事がメチャクチャ多い。


特に、お子さんの場合、


ひとりっこだったりして不安になられる事も多いようだ。



最近では「自閉症」「軽度発達障害」「アスペルガー」

そういった言葉だけが一人歩きしてしまい、


ネットで検索したりしても膨大な情報が得られる。



その情報の断片だけを見てしまい、

「ウチの子もそうではないか?」と思い込んでしまうケースが多いようだ。


例えば、自閉症の教科書の通りの典型的な特徴。


「人の目を見ない」


「言葉が遅い」


「オウム返しをする」

「キラキラ光る物に興味を示す」


「手をひらひらする」

「こだわりが強い」


「つま先たちで歩く」


「よびかけても反応しない」etr・・・



こんな、わかりやすい症状が全部揃っていれば、

自閉症とすぐ判断できるのだろうが、


現実は、そう簡単なものではないし、


たまたまいくつかの気になる行動があっても、


問題のない場合もある。




特に、自閉症とひとくくりで、いっても色んなパターンがあり、

それこそ本気で書こうと思ったら、


とてもこんなコラムで書けるものではない。

極めて簡単に説明すると、


一般的に「自閉症」と言われるのは

生後36ヶ月までに3つ組の障害

(社会性の障害・コミュニケーションの障害・想像力の障害)が見られ、


その多くが知的障害をともなうもの。


こういうケースは比較的わかりやすく、

3才児健診なんでもひっかかりやすい。



しかし、やっかいなのが、


自閉傾向をもちながら、知的に遅れがみられないもの(高機能自閉症)、


さらに知的障害も


言語発達の遅れがないもの(アスペルガー)となると、


専門家(小児神経科医・小児精神科医・精神科医等)でなければ、

まず的確な診断は難しい。




特に、高機能自閉症とアスペルガーがどうちがうのか、


正直僕もいまだにわからない。

こういった傾向の人達の事を、


自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)と呼ぶ。


ご相談にこられる方でも、3才児健診では異常がないといわれても、


親自身が「ちょっとちがうんではないか?」と不安に思われる方には、


僕は迷わずすぐに専門機関での診断を勧める。


向こうは迷惑だろうが、かなりの方をウチから紹介している。


僕の子供もお世話になった、神戸大学の高田先生。


あるいは、児童精神科医の神戸のすずき心療内科。


こういった専門機関では、的確な診断を受けれるので、


ゴチャゴチャ悩んだり、不安になったりするくらいなら、


早期に発見して、早期に療育やTEACCH(自閉症児の療育プログラム)


あるいはABAなどの行動療法を始めた方が、


その子の将来にもプラスになるからと思っている。



「問題なし」と言われれば安心もできる。



それと、ウチの保育所では基本的に、

明らかに診断をしてもらった方がいいと思う子以外は、


こちらから親御さんに声を掛ける事はしていない。

子供の障害受容は極めてナーバスな問題なので、

そう簡単に対応できるものではないからだ。

親御さんから相談があった場合のみ、対応している。




最後に、


もし皆さんの中で「不安がある」「気になる」方がいらっしゃれば、


いつでも相談に応じます。


また、自分での知識を得たいという方には専門書や、

僕の所属する様々な関係学会の出版物もお貸しします。


また、僕の読んだ本の中で、比較的わかりやすく、


全く知識のない方にもていねいに書かれた本をいくつか紹介します。


もし、興味があれば、ぜひ読んで下さい。(A)

そして、最後に、


いわゆるLD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動性障害)は、

広い意味では発達障害には含まれますが、


厳密に言えば発達障害ではありません。


問題なのは、


高機能群の中には、LDやADHDを重複するケースも少なくなく、


LDやADHDと疑われている子供の中には、

高機能自閉症やアスペルガーも含まれているという事です。


しかし、本来LD・ADHDと自閉症スペトラムの症状は


別個のものですから、


今回はあえてこの分野には触れませんでした。



(A)・・・

(1) 発達障害の豊かな世界(杉山登志郎)


(2) 発達障害の子どもたち(杉山登志郎)


(3) 高機能広汎性発達障害(杉山登志郎)

(4) 発達障害かもしれない(磯部 潮)


(5) 自閉症の子を持って (武部 隆)

(6) 発達障害と子どもたち(辻井正次)