城島が引退を表明した。

2003年日本シリーズ。
18年振りのセリーグ優勝を果たした阪神タイガースの前に仁王の様に立ちはだかったのは城島だった。

バッターボックスに入ってバットを上段に構えた時の圧倒的な威圧感。
そのオーラは凄まじいものをビンビン感じた。

そしてイカリ肩でドッシリ座ったキャッチャーとしての姿。
いつもバッターボックスに入った相手打者をジロジロッと見詰め、何かを企んでいるかの様な姿は頼もしいにも程があり、
とても打てる気がしなかったものだ。

そんな城島が阪神に入団すると聞いた時、
阪神久々の優勝を期待したが、時すでに遅く、揉み上げに白いものが目立った阪神での城島は、あの私が目撃した恐ろしい城島では無くなっていた。

金本とは違い、2軍の鳴尾浜でヒッソリと引退試合をするという。
この大捕手には余りにも寂しい扱いだ。
だが、ファンを裏切って自らの不甲斐なさにケジメを付けたかった彼にとっては、
これが選択出来る精一杯の花道だったのだろう。

城島健司36歳。

今でもダイエーホークスの球団歌を聴くと、彼の勇姿を思い出す。
くしくも今年は、同じ常勝ダイエーを支えた小久保も引退する。
あのオレンジのFDHのマークと、純白のユニフォームが本当に怖かった。

間違いなく、日本一のキャッチャーだった。

いざゆけ!無敵の若鷹軍団。
まずは玄海灘へ戻ってゆっくりとして欲しい。