新規個別指導に行ってきました | なくい外科内科胃腸内科クリニックのブログ

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2017年5月8日、宮城県岩沼市あさひ野にオープンした「なくい外科内科胃腸内科クリニック」です。
かかりつけの皆様やクリニックに興味をお持ちの皆様に、
少しでもお役にたてる情報を提供できればと考えております。

先日、クリニックは開業1周年を迎えました。

クリニックの運営にご尽力くださいました皆様に

厚く御礼申し上げます。

 

さて、クリニックは開業1年を迎えると、

厚生局による新規個別指導を受けることになります。

これまでにも診療報酬改定時の集団指導などはありましたが、

開業後の1年の医療機関は、直接厚生局に資料を持参し、

適切な保険診療を行っているか面接しながら確認していただくことになります。

 

当クリニックにも指導約1ヶ月前に通知があり、

指導約10日前までに必要書類に記入し、FAXします。

原本は当日厚生局まで持って来るようにとの内容でした。

さらに、指導約1週間前には診療録の提出が必要な患者さんのリストが送られてきて、

血液検査や検査画像、検査所見用紙などを添付し、

指導当日に持参します。

 

持参した書類は膨大な量となり、

当日は丈夫な手提げ袋や段ボールに入れるなどして、

参加する3名で両手に抱え何とか持ち込みました。

書類を台車で持ち込む方もいらっしゃるそうです。

 

落ち着かないこともあり、

私たちは呼び出し時間の30分前には厚生局に到着してしまいましたが、

厚生局の方のご配慮で、関係者が集まり次第新規個別指導を開始して下さいました。

当施設からは医師1名、医療秘書2名の計3名が参加しました。

厚生局3名、県医師会1名、地元医師会1名の計5名が指導担当者でした。

 

部屋に通されると、早速持参した書類に不備がないかすべて点検されます。

一通りの点検が終わると、参加者が挨拶・自己紹介を行い、指導が始まりました。

医師の指導はもっぱら、持参した診療記録をもとに進められます。

診療内容・カルテ記載と病名記載・診療報酬請求内容との間に矛盾がないか、

細かくチェックしていきます。

不備のあるところは改善を求められます。

途中から、医療秘書は医師とは別に、その他の提出書類について指導を受けます。

 

指摘を受けた主な改善内容としては以下の通りです。

・病名は遅滞なく速やかに整理すること

・特定疾患患者ごとに適切な指導を行い、その内容を記載すること

・電子カルテのパスワード設定8桁以上とし、2ヶ月毎更新すること

厚生労働省 医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版(平成295月)

・個人情報保護に関する勉強会を年1回開催する

 

特に、パスワードについてですが、

昨年5月の開業時点では旧ガイドラインでしたから

開業時より4桁で運用しておりました。

8桁を2ヶ月毎にとの指摘は少し驚きました。

確かに厚生労働省のガイドライン56ページに記載が確認できましたが、

日本の総務省「国民のための情報セキュリティーサイト」では、

「IDパスワードが流出した事実がなければ、

パスワードの変更は必要ない」と記載されています。

もちろん医療者として厚生労働省のガイドラインを遵守してまいりますが、

さすがに8桁2ヶ月更新、英単語や固有名詞を避けて、英数字・大文字・小文字を混ぜてなど

かなり大変なことと思います。

今後はガイドラインを遵守しながらもより簡便な生体認証などに変更できないかなど、

電子カルテのメーカーともお話していく予定です。

 

さて、約40分間の指導の後、5~10分間一度指導室を退席します。

指導担当者が指導内容について合議しているそうです。

その後、指導室に改めて入室し、最終的な評価を伺いました。

指導を受けた点について、速やかに改善するようにとのお言葉で終了となりました。

約2週間後、同様の内容で書類が送付されてきますので、こちらに改善内容を記載し郵送します。

 

指導前は先輩先生方にいろいろと脅かされましたが、

実際には、1年間の診療でわからないことや不備について、

一緒に改善していきましょうという前向きな指導との印象でした。

 

新規個別指導では、

クリニックの保険診療が開院以来しっかり行われていることを再確認でき、

「今後、さらにクリニックの診療をより効率的に、

そしてより良質な診療を患者さんに提供をしていこう!」と、

気持ちを新たにするよいきっかけとなりました。

開院以来日々業務改善を行い、

そして新規個別指導の提出書類も

完璧に準備してくれたスタッフの皆さん、

本当にありがとうございました。

これからも末永くお願いいたします。