第二工程 人造石蛇腹仕上げ | 中屋敷左官工業(株)

第二工程 人造石蛇腹仕上げ

第48回全国左官技能競技大会の続き。

 

2日目の目玉作業がこれ

「腰見切りの人造石蛇腹仕上げ」

左官でいう蛇腹とは、洋風建物の外壁上端,屋根庇の下,天井と壁の境などに置かれる水平の細長い突出部を言います。

断面形状はこのような複雑な形をしています。

このような複雑な形を、石とセメントを混ぜた材料で塗りつけた後、表面を洗い出し、人造石を作るというのが今回の課題です。

長さ1,250㎜で左側には角があり、これがまた難しいのです。

 

まずは前日に塗りつけた中塗りモルタルの上下に目地棒を取り付けます。

その後、付着を良くするためのセメントペーストを塗りつけ、追っかけで材料を塗りつけていきます。

ある程度塗りつけた後、

下の写真にあるような蛇腹の形状に削り出した木型に

鉄板を取り付けた「引き型」と呼ばれる道具で

目地棒を定規として、引き型を使い塗りつけた材料を成形していきます。

ある程度の形になるように材料を塗りつけて〜

引き型を定規に当てがい、左右に動かしながら形を作っていくのです。

すると、きれいな形が出来上がってきます。

塗りつけた状態はこんな感じになります。

この段階では表面はセメント状態。

 

ここから30分程度の乾燥時間をおいて、ある程度固まってきた頃合いを見て、

水を浸した刷毛で表面を洗い出すと、下の写真のようにセメント分が落とされてきれいな石の目が出てくるのです。

細かな角を傷めないように、十分注意を払い丁寧に洗い出していきます。

表面を洗い出したら、上下に取り付けた目地棒を外し、目地棒の接着面も丁寧に洗い出します。

こうして完成です!!

角のコーナー部分も洗い出して丸くならず、角がきっちり出ているのが大事。

 

1,250の長さの複雑な形状の蛇腹を、まーーーーっすぐに引き通すことがこれまた大事。

そして、石がきっちり均一に詰まっていることがこれまた大事。

そしてこれをゆっくり丁寧にしていたのでは、競技時間に間に合わない。

早さがこれまた絶対条件!

 

今回藤木くんの当日の塗りつけは、目地棒取り付けも全て含み45分という速さで塗りつけていて、審査員の方からも「早かったねーー」と言われるほどでした。

こちらが本番の時の写真です。

本当に良い仕上がりだったと思います合格

 

では、藤木くんはどうやってこのような素晴らしい技術を身につけたのでしょうか?

当社にはこのような難しい形状の人造石蛇腹仕上げの技術がもともとあったのかというと?

明確に「NO!」です。

藤木くんは今までやったことはもちろんのこと見たこともありませんでした。

 

それなのに何故、このような難しい仕事を、これほどまでに精度良くきれいに、そして早く出来るようになったのでしょうか?

 

その秘密を明かします!!

私の会社の人材育成の要は皆さんご承知の通り「モデリング」です。

「それを上手く出来る人とまったく同じことをすれば同じ結果を得ることが出来る」

ということは、まずは人造石のモデルを探すことが大事になります。

人造石の名人と言えば私の知る限りではこの方しか知りません。

プロフェッショナル左官の仕事① 人造石洗い出し仕上げにご出演いただいている

現代の名工「荒木富士男」さん。

そのDVDに今回と同じような腰見切りの人造石蛇腹仕上げが収録されていました。

実はこれを参考にしただけでこれだけの事が出来るようになったんです!

 

と、そんなに左官の技術は簡単ではありません。

このDVDは40分程度の映像で、全てが映されているわけではありません。

このDVDがあればある程度は出来ますが、競技大会のように、特別に短い時間と精度を両立させるにはこれだけでは不十分。

 

では何をしたのか?

さらにもう一つの秘密を明かしましょう。

それがこちらの一枚の写真。

 

続く・・・